自分の会社の経営計画を知っている人は、どのくらいいるのでしょうか?
大企業ならば経営計画を一般公開している企業もありますが、中小企業では社長や管理職どまりで、社員一人一人までは届いていないのが現状ではないでしょうか?
経営計画を実行するには、全社員の協力なしではありえません。
経営計画を実行するためには「経営計画の見える化」をしていきましょう!
しかしながら、会社全体に経営計画の数値を公開するのは、抵抗があるという社長もおられます。
その場合、どのようにすれば、経営計画どおりにすすめることができるのでしょうか?
本記事では、「経営計画の見える化」に努めることで、経営計画をすべて見せなくても会社一丸となって経営計画を実現することが可能になることをお伝えします。
「経営計画の見える化」を上手く取り入れて、会社のなりたい姿に向かって目指していきましょう。
経営計画の見える化とは?
「経営計画の見える化」とは、社内で経営計画が見えるようにすることです。
例えば、会社の支店に「顧客満足度・従業員満足度120%」と経営計画のビジョンの掲げたとします。
とりあえず経営計画のビジョンであることはわかりますが、これをみて社員はおそらく「ふーん」で終わります。
それは、経営計画のビジョンだけをピックアップしても響かない場合がとても多いからです。
「あなたがお客様を大切にしたら、お客様に喜んでもらえて顧客満足度アップにつながり、満足して商品を買っていただける方が増えるから、売上達成し、給与や福利厚生の充実につながって従業員満足度もあがります」
例えばですが、経営計画のビジョンをここまでかみ砕いて伝え、朝礼で唱和するくらい身近な言葉にする必要があります。
そして
「なぜお客様を大切にするのか?」
「どうすると大切にしていることになるのか?」
経営計画のビジョンが「顧客満足度・従業員満足度120%」になった経緯や行動計画を説明するとさらに身近に感じてもらえるでしょう。
このように経営計画のビジョンを共有することが「経営計画の見える化」の一つになります。
経営計画の見える化を実現する3つのステップ
経営計画の見える化の一つは、経営計画のビジョンを共有することと言いましたが、それをふくめて、経営計画の見える化を実現するためには次の3つのステップが必要になります。
- 見える化①ビジョンを全社員で共有する
- 見える化②会社の現状や課題を明確にする
- 見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
一つ一つみていきましょう。
経営計画の見える化①ビジョンを全社員で共有する
経営計画の見える化の一つ目は、ビジョンを全社員で共有することです。
まずは、全社員に経営理念や中期ビジョンを示し、自社の進むべき道を明確に伝えましょう。
みんなの進む方角が違うとそれだけで全体が疲弊します。
例えば
「わが社は快適な生活空間を提供することでお客様を笑顔にする!」
という経営理念を共有するだけで、社員の仕事に対する姿勢も変わってくるものです。
全社一丸となって同じベクトルに向かうことで、将来あるべき姿に近づけます。
経営計画の見える化②会社の現状や課題を明確にする
経営計画の見える化の二つ目は、会社の現状や課題を明確にすることです。
会社の現状や課題を明確にし、少なくとも管理職となる社員には伝えましょう。
「大型施設オープンによる売上減少」
「資金繰り悪化による借入金返済の遅れ」
「人員不足による残業代の増加」 など
経営計画を実行するには、動機が必要です。
常に会社の現状や課題を明確にしておくことで、もし経営計画どおりにいかなくなっても改善案や軌道修正案などが出やすくなります。
経営計画の見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
経営計画の見える化の三つ目は、社員一人一人のタスクに落とし込むことです。
経営計画を作っても社員一人一人は自分が何をしていいのかわかりません。
正直、ただ売上目標を達成しろといってもなかなか伝わらないのです。
「今月は残り100万円の利益を上げるために機械を3台を売ってほしい。」
「そのためにA地域を営業に5人で100件まわってみてはどうか?」
ここまで細かく社員一人一人のタスクに落とし込みましょう。
自分でタスクに落とし込めるようになるまで、はじめは手助けして、自発的にできるように促すことも大切です。
経営計画の見える化は見えすぎなくてもいい
経営計画を実行するためには「経営計画の見える化」をしていきましょう!
とはいうものの、会社全体に経営計画の数値を公開するのは、抵抗があるという社長もおられます。
経営計画を全部見せなくてはならないのでしょうか?
答えは、NOです。
経営計画の見える化とはいえ、経営計画すべて見せる必要はありません。
もちろん、社長の頭の中だけに経営計画をしまってはいけませんが、経営計画の数値は管理職クラスまででも十分でしょう。
そこから現場にどのように落とし込むかが重要になります。
例えば、社員一人一人の能力に合わせて「客単価○○円×〇人=○○円を目指すために、接客でプラス1点を心掛ける」というように、数値目標につながる行動計画もあわせて伝えます。そして、達成できれば褒めたり、達成できない場合はできない要因を取り除くよう一緒に考えたりすると、社員一人一人が自分の数値目標と行動計画に向けて試行錯誤するようになり、自然と支店ごとの売上目標が達成することでしょう。
すべての数値をみせるよりも、社員一人一人が、課題解決に向けて行動し、効果を検証し、検証結果の基づき、次の行動をするという流れを作ることで、経営計画の実現可能に近づくことが「経営計画の見える化」になっている状態であると言えます。
経営計画の見える化は数値で表す必要がある
経営計画の見える化は数値で表す必要があります。
しかし、正直なところ、数値で表すのは難しい場合もあります。
そもそも「顧客満足度・従業員満足度120%」なんてどこで計測するんだというところですが、例えば、事前にアンケートをして、1年後にもう一度同じアンケートをすることで満足度の伸び率をはかるなど、事前に計測方法を決めてから実行することで数値で表しにくい項目も見える化できるようになります。
そうは言っても「客単価○○円×〇人=○○円を目指す」というような自己目標と達成率などのように経営計画の見える化はできるだけシンプルに数値化するほうがわかりやすいでしょう。
まとめ|経営計画の見える化は目標達成の近道になる!
経営計画の見える化は目標達成の近道になります。
なぜなら、社員一人一人がするべきことがわかりやすくなり、経営計画達成のための行動を起こしやすくなるからです。
経営計画の見える化を実現するためには次の3つのステップが必要になります。
- 見える化①ビジョンを全社員で共有する
- 見える化②会社の現状や課題を明確にする
- 見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
「経営計画の見える化」に努めることで、経営計画をすべて見せなくても会社一丸となって経営計画を実現することが可能になります。
社員一人一人に、自分の行動が会社の経営に関係してくると伝わることで、責任感や充実感が生まれ、一人一人の行動が少しずつ変わってくることでしょう。
「経営計画の見える化」を上手く取り入れて、会社のなりたい姿に向かって目指していきましょう。