早期経営改善計画のアクションプランは、どう書くといいでしょうか?
アクションプランとは、計画を達成するためにどんな行動をするのかということを書いていきます。
ただし、その行動は誰がいつどのように実行するのか?と具体的な行動計画でなければなりません。
本記事では、中小企業庁の記入例から、実際にどのように早期経営改善計画のアクションプランを書いていくのか?ということをお伝えします。
早期経営改善計画を計画どおりにすすめて、企業のなりたい姿に近づけるようにアクションプランを作っていきましょう。
早期経営改善計画のアクションプランの記入例をみよう!
2017年5月末からスタートした「早期経営改善計画策定支援」は、経営改善に前向きな中小企業・小規模事業者に対して、ビジネスモデル俯瞰図、資金実績・計画表、損益計画、アクションプラン等の早期経営改善計画の策定を促すための事業となっております。
☑ ビジネスモデル俯瞰図
☑ 資金実績・計画表
☑ 損益計画
☑ アクションプラン
4つの早期経営計画書の中から、今回、早期経営改善計画のアクションプランを中心にみていきます。
まず、中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」のサイトから「早期経営改善計画(サンプル)(PDF形式:356KB)」の一部であるアクションプランの記入例をご覧ください。
出典:中小企業庁ウェブサイト内「早期経営改善計画(サンプル)PDF」より
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html)
アクションプランの記入例では、一番上に「主な経営課題」が3つ挙げられ、つぎにそれぞれの「主要課題に対するアクションプランの具体的な内容」が2~3つ挙げられています。
そのアクションプランの具体的な内容を「いつ(実施時期)」「誰が(主担当)」「どんな結果を得られるようにするのか?(計画1期目以降 )」ということを決めていきます。
早期経営改善計画のアクションプランの記入例をみると、そんなに難しくみえないかもしれませんが、いざ白紙の紙1枚を渡されてもアクションプランをスラスラと書くことはなかなかできません。
アクションプランを1枚にまとめるためには下準備が必要です。
早期経営改善計画のアクションプランの下準備とは?
早期経営改善計画のアクションプランは、前章でもお伝えしたように、いきなりスラスラと書けるものではなりません。
事前の下準備が必要となります、
中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」のサイトを参考に、まずは2つの図表を作りましょう!
②資金実績・計画表
では、簡単にみていきます。
ビジネスモデル俯瞰図
早期経営改善計画の「ビジネスモデル俯瞰図」とは、事業を俯瞰し、収益の仕組み、商流等を見える化するものです。
出典:中小企業庁ウェブサイト内「早期経営改善計画(サンプル)PDF」より
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html)
☑ 主たる顧客、仕入先(外注先)等の流れを記載
☑ 専門家(認定支援機関)は、俯瞰図を用いて経営者と対話を行い、課題を抽出
☑ 「見える化」された課題に対する改善策の検討
まず、事業の流れがどうなっているのか現状把握した上で、「今、何が足りないのか?」「何が事業の成長を妨げているのか?」など、全体像を見ながら課題をあげていきます。
資金実績・計画表
早期経営改善計画の「資金実績・計画表」とは、過去の資金繰り実績を分析し、将来の資金繰り計画を作成するものです。
出典:中小企業庁ウェブサイト内「早期経営改善計画(サンプル)PDF」より
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html)
☑ 今期を含めた3年間の資金実績表を作成
☑ 各項目の実績を月別に記載し、自社の資金の動きを把握
☑ 自社の特徴を理解し、今後の資金繰り表を作成
今期を含めた3年間の資金実績表を作成した上で、「借入金の残高が順調に減っているのか?」「現金残が過剰に減ったり、増えたりしているときはどんなことがあったのか?」など、自社の資金の動きを把握しましょう。
それを踏まえて、今後の資金繰り表を「〇月(見通)」との欄に記載していきましょう。
参考までに、中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」のサイトの資金予定表かんたん作成ツールを使ってみてはどうでしょうか?
資金予定表かんたん作成ツールの使い方を書いた記事はこちらになります。

下準備OK!早期経営改善計画のアクションプランを作ろう!
早期経営改善計画の「アクションプラン」とは、「見える化」された課題を行動計画に落とし込みすることです。
そして、冒頭でお見せしたアクションプランの記入例は、早期経営改善計画の「ビジネスモデル俯瞰図」と「資金実績・計画表」をもとに、経営者と認定支援機関が一緒に課題を見える化し、課題に対する改善策を検討したものになります。
出典:中小企業庁ウェブサイト内「早期経営改善計画(サンプル)PDF」より
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html)
☑ 「ビジネスモデル俯瞰図」と「資金実績・計画表」をもとに抽出した課題の解決策を検討
☑ 「いつ」「誰が」アクションプランを実行するのかを明確にして、具体的な実施時期を整理
アクションプランのように「見える化」された課題を具体的な行動計画に落とし込むことで、一人一人のするべきことが明確になり、早期経営改善計画の実現性が高まります。
アクションプランを数値化して損益計画を作成!
早期経営改善計画の「損益計画」とは、アクションプランの改善効果を数値化し、実現計画を設定するものです。
出典:中小企業庁ウェブサイト内「早期経営改善計画(サンプル)PDF」より
(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/kaizen/souki.html)
アクションプランにより損益計画がどう変わっていくかを数値化します。
例えば、アクションプラン①を実行した場合、「売上は+1%」とアクションプランを立てた為、損益計画は計画1年目以降30,300千円(計画0年目30,000千円)となっております。
●両店でどのようなお客様が来店しているかを調べて実態を把握する。
●把握した客層を踏まえたメニューを設定して売り上げ増加につなげる。
【計画1期目以降】売上+1%
アクションプランから損益計画ができたら、実際にアクションプランを行動し、損益計画がどのように変わっていくかみていきましょう。
まとめ|早期経営改善計画のアクションプランを記入例で解説!
早期経営改善計画のアクションプランには、計画を達成するためにどんな行動をするのかということを書いていきます。
ただし、その行動は誰がいつどのように実行するのか?と具体的な行動計画でなければなりません。
今回、中小企業庁の記入例から、実際にどのように早期経営改善計画のアクションプランを書いていくのか?ということをお伝えしました。
早期経営改善計画を計画どおりにすすめて、企業のなりたい姿に近づけるようにアクションプランを作っていきましょう。
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