決算書はなぜ必要なのでしょうか?
業績をみるため?
納税のため?
どちらも当てはまりますね。
本記事では、決算書はなぜ必要なのか?ステークホルダー(利害関係者)の視点からお伝えします。
決算書はなぜ必要?
決算書は、事業が健全に行われているか確認するための大切な書類です。
決算書から影響を受ける人は、株主・投資家、金融機関、取引先などのステークホルダー(利害関係者)となります。
決算書がなぜ必要なのか?
ここでは、ステークホルダーの視点からみてみましょう。
①企業の健全性を評価するため
決算書はなぜ必要か、その理由の1つ目は「企業の健全性を評価するため」です。
株主・投資家、金融機関、取引先などのステークホルダー(利害関係者)は、企業がどのくらい元気なのか気になるところです。
それは、決算書から読み取ることができます。
例えば、経営の安全性をみる「自己資本比率」。「自己資本比率」の計算式は「(自己資本/総資本)×100」で表され、50%あれば、経済状態が良好と言えます。
他にも決算書から読み取って経営分析ができるので、ぜひやってみましょう。
>>経営分析の指標の目安は?5つの経営指標で会社の現状を知ろう!
②投資判断するため
決算書はなぜ必要か、その理由の2つ目は「投資判断するため」です。
投資家は、企業に投資する前に、それが賢い選択かどうかを知りたいですよね。
決算書はそんな判断の手助けをしてくれます。
例えば、企業の資産と負債を示す「貸借対照表」や、企業の収益と利益を見る「損益計算書」、資金の動きを示す「キャッシュフロー計算書」を分析することで、将来の投資の見込みを評価することができます。
③資金調達するため
決算書はなぜ必要か、その理由の3つ目は「資金調達するため」です。
企業が成長するためには、資金が必要です。
新しいプロジェクトや拡大計画を実現するために、銀行や投資家から資金を調達することがあります。
その際に、銀行や投資家は、決算書から企業の成長性を評価し、返済能力の確認した上で、資金提供の条件を決定します。
④税務申告するため
決算書はなぜ必要か、その理由の4つ目は「税務申告するため」です。
個人でも法人でも事業をしている以上、決算書を作成し、適正な納税をするよう、努めなくてはなりません。
なぜ、納税がステークホルダーと関係あるかというと、例えば、納付が遅れている場合に金融機関からの借入に影響が出るからです。
納税も滞っているのに、借入して返済なんてしていけるだろうか・・・と懸念されますよね。
つまり、正しい決算書を作成し、納税義務も果たしている、健全な経営を行っていることはステークホルダーにとって、とても重要なことなのです。
決算書とは?
ここからは、決算書の種類をお伝えしていきます。
どの決算書がどんなことを読み解くためのものなのか知っておきましょう。
①貸借対照表
貸借対照表は「ある時点における企業の財政状態」を表します。
貸借対照表は「資産の部」「負債の部」「純資産の部」と大きく3つにわけることができます。
「資産の部」は資金の運用形態を表し、どこにお金が使われたかを示しています。
「負債の部」と「純資産の部」は資金の調達源泉を表し、どこからお金が入ってきたかを示しています。
その中でも「負債の部」はいつか返さなくてはならない「他人資本」といいます。「純資産の部」は返さなくてもいい「自己資本」といいます。
こちらの記事で、貸借対照表の見方を詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
>>貸借対照表の見方!初心者でもわかりやすい健康診断で例えます!!
②損益計算書
損益計算書は「一定期間の企業活動の経営成績」です。
次の5つの利益は注目しておきましょう。
- 売上総利益(うりあげそうりえき)
- 営業利益(えいぎょうりえき)
- 経常利益(けいじょうりえき)
- 税引前当期純利益(ぜいびきまえとうきじゅんりえき)
- 当期純利益(とうきじゅんりえき)
損益計算書をみれば「いくら売れているのか?」「儲けはどれだけあるのか?」がわかります。
しかし、損益計算書をそれだけにしか使わないのはもったいないです。
損益計算書の見方がわかれば「今月はあとどのくらい売ったらいいのか?」「割引したらどうなのか?」など簡単に予測することもできます。
こちらの記事で、損益計算書の見方を詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
>>損益計算書の見方!初心者がみるべき5つの利益と赤字にしない為には?
③キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は「一定の期間におけるお金の流れを表すもの」です(上場している企業が作成するので、ほとんどの中小企業は作成不要です)。
「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」の3つのキャッシュフローからできています。
- 営業活動によるキャッシュフロー
→会社の本業である営業活動で稼いだお金 - 投資活動によるキャッシュフロー
→将来に向けて投資、または過去の投資を売却したお金 - 財務活動によるキャッシュフロー
→企業の財務に関する資金調達、または返済したお金
キャッシュフロー計算書をみれば、「企業の資金がなぜ足りなくなったのか?」「儲けたお金はどこに流れたのか?」といったお金の流れがわかるようになります。
こちらの記事で、キャッシュフロー計算書の見方を詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
>>キャッシュフロー計算書の見方!ポイント3つをおさえて分析しよう!
④株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書は、「企業の株主資本に関連する変動を示すもの」です。
この計算書は、次のように、特定期間内における株主資本に関連する出来事や取引の内容を記載します。
- 新株の発行と増資
- 自己株式の取得と減資
- 利益配当と剰余金の取扱い
株主資本等変動計算書は、企業の株主資本の変動を把握する上で重要な情報源となります。
株主資本の変動は、企業の資金調達や資本構造に影響を及ぼすため、投資家や経営者、金融機関などが企業の健全性を判断する際に参考となります。
⑤個別注記表
個別注記表は、「企業の決算書に含まれる数字や項目について補足情報を提供するもの」です。
通常の決算書の数字だけでは情報が不十分である場合、特定の項目や取引に関する詳細な説明や補足情報が必要となります。
こうした情報を提供するために、個別注記表が利用されます。
個別注記表は、主に次のような内容が書かれています。
- 資産の評価方法
- 会計処理の方針
- 重要な取引の内容
- その他の補足情報
企業の財務情報を評価する際には、個別注記表の情報を適切に理解し、決算書全体の情報を総合的に判断することが重要です。
まとめ|決算書は企業を存続させていく上で必要な書類!
決算書はなぜ必要なのでしょうか?
それは、株主・投資家、金融機関、取引先などのステークホルダー(利害関係者)視点からみるとわかります。
決算書は、企業の健全性を評価し、投資を判断し、税金を申告し、資金調達を行うための書類の一つです。
決算書は企業を存続させていく上で、とても必要なものになります。
また、毎期、決算書を作成し、納税していけるよう、経営計画を立てることも大切です。
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