貸借対照表の見方!初心者でもわかりやすい健康診断で例えます!!

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貸借対照表の見方!初心者でもわかりやすい健康診断で例えます。 経営分析

貸借対照表をみるとき、どんなことに注目してみていけばいいのでしょうか?

貸借対照表は、人間に例えれば、まさしく肉体そのものを表していると言われ、お金の流れは血液のようでお金の流れが滞ると体に支障が生じます。

本記事では、貸借対照表の見方を初心者でもわかりやすいように健康診断に例えてお伝えします。

体のバランスが取れている状態、すなわち理想的な貸借対照表の状態はどんなものなのか?また、抵抗力が弱くなり、病気にかかりやすい虚弱体質になっている状態はどんな貸借対照表なのかみていき、対策を取っていきましょう!

 

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貸借対照表の見方!貸借対照表の勘定科目とは?【初心者向け】

貸借対照表と損益計算書(640×430)

 

上の図は決算書の貸借対照表(左図)と損益計算書(右図)です。

貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)は「ある時点における企業の財政状態」を表します。
損益計算書(そんえきけいさんしょ)は「ある一定期間における収益と費用の状態」を表します。

今回は貸借対照表の見方を初心者にもわかりやすい健康診断で例えていきますが、まずはじめに貸借対照表の主要な勘定科目の名前を意味をお伝えします。

勘定科目を知っている方はこの章は飛ばして次の章に行ってくださいね。

貸借対照表の見方

 

あらためて、貸借対照表は一定時点における企業の財政状態を表します。

まずはじめに貸借対照表は「資産の部」「負債の部」「純資産の部」と大きく3つにわけることができます。

「資産の部」は資金の運用形態を表し、どこにお金が使われたかを示しています。

「負債の部」と「純資産の部」は資金の調達源泉を表し、どこからお金が入ってきたかを示しています。その中でも「負債の部」はいつか返さなくてはならない「他人資本」といいます。

「純資産の部」は返さなくてもいい「自己資本」といいます。

それでは「資産の部」「負債の部」「純資産の部」の中身の主要な勘定科目を説明していきます。

 

貸借対照表の「資産の部」

貸借対照表の「資産の部」では、現金や現金化できるものが並んでいます。

その中でも1年以内に現金化できるものを「流動資産」といい、長期にわたり会社が保有するものを「固定資産」といいます。

しかし、「繰延資産」は、過去に支出した費用のうち、その支出した効果が来期以降にも影響が及ぶと考えられるものをいい、現金に換金されるものではありません。

基本、貸借対照表は現金化しやすいものから並べるため上から「流動資産」→「固定資産」→「繰延資産」の順に並びます。

【流動資産】

  • 現金・預金(げんきん・よきん)
    ・・・現金と当座預金、普通預金、定期預金、定期積金など
  • 受取手形(うけとりてがた)
    ・・・商品を売り上げた際に、決済の方法として受け取る手形
  • 売掛金(うりかけきん)
    ・・・商品を売り上げた際に、後日決済するという未回収金
  • たな卸資産(たなおろししさん)
    ・・・企業が販売する目的で一時的に保有している商品・製品・原材料・仕掛品など
  • 有価証券(ゆうかしょうけん)
    ・・・市場性のある株式等のうち、決算日の翌日から起算して1年以内に処分する目的で保有するもの
  • 貸付金(かしつけきん)
    ・・・企業が取引先などや自社の役員や従業員などに対して、貸し付けた金銭
  • 前払費用(まえばらいひよう)
    ・・・一定の契約に従い、継続して役務の提供等を受ける場合に、未だ提供されていない役務に対し支払われたもの
  • 未収収益(みしゅうしゅうえき)
    ・・・一定の契約に従い、継続して役務の提供等を行う場合に、既に役務を提供したにもかかわらず対価の支払を受けていないもの

 

【固定資産】

  • 建物(たてもの)
    ・・・事業用建物
  • 車両(しゃりょう)
    ・・・事業用車両

 

【繰延資産】

  • 創立費(そうりつひ)
    ・・・企業ないし法人の設立のためにかかった費用
  • 開業費(かいぎょうひ)
    ・・・法人設立後から営業を開始するまでの間にかかった開業準備のための費用
  • 開発費(かいはつひ)
    ・・・新技術または新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のために支出した費用

 

 

貸借対照表の「負債の部」

貸借対照表の「負債の部」は、簡単に言うと借金です。だれかに返さなければならないお金のため「他人資本」とも呼ばれています。支払手形や買掛金は借金ではないですが、約束の期日にお金を支払わなくてはならないため、負債の部に入ります。

その中でも1年以内に返さなくてはならないものを「流動負債」といい、1年を超えて返していくものを「固定負債」といいます。

基本、貸借対照表は早く返さなくてはならないものから並べるため上から「流動負債」→「固定負債」の順に並びます。

【流動負債】

  • 支払手形(しはらいてがた)
    ・・・商品を買った際に、決済の方法として支払う手形
  • 買掛金(かいかけきん)
    ・・・商品を買った際に、後日決済するという未払い金
  • 短期借入金(たんきかりいれきん)
    ・・・1年以内に返済しなければならない金銭の借入
  • 前受収益(まえうけしゅうえき)
    ・・・一定の契約に従い、継続して役務の提供等を行う際に、未だ提供されていない役務に対して前もって受けたもの
  • 未払費用(みばらいひよう)
    ・・・一定の契約に従い、継続して役務の提供等を受ける場合に、役務を提供等を受けたにもかかわらず、対価の支払がされていないもの

 

【固定負債】

  • 長期借入金(ちょうきかりいれきん)
    ・・・1年を超えて返済しなければならない金銭の借入

 

貸借対照表の「純資産の部」

貸借対照表の「純資産の部」は、株主からの資金や会社がこれまで積みあげてきた利益になります。負債と違い返済しなくてもいいお金なので「自己資本」と呼ばれています。

【純資産】

  • 資本金(しほんきん)
    ・・・会社の株主が事業を円滑に進められるように出資した金額
  • 資本剰余金(しほんじょうよきん)
    ・・・資本金として計上した以外の元手となる資金
  • 利益剰余金(りえきじょうよきん)
    ・・・会社の利益から残しておく資金
  • 自己株式(じこかぶしき)
    ・・・株式会社が有する自己の株式

 

貸借対照表の見方は健康診断5つのパターンに例えやすい!

貸借対照表の見方は健康診断5つのパターンに例えやすい!

貸借対照表を見れば、会社が今どんな状態なのか?資金の流れはどうなっているのか?というようなことを把握することができます。

貸借対照表の見方は健康診断に例えるとわかりやすいので、健康体と別に、病気の症状を5つのパターンでご紹介いたします。

  • 貸借対照表の見方「健康体」
  • 貸借対照表の見方「症状1:メタボリック症候群」
  • 貸借対照表の見方「症状2:動脈硬化」
  • 貸借対照表の見方「症状3:糖尿病」
  • 貸借対照表の見方「症状4:記憶喪失」
  • 貸借対照表の見方「症状5:入院」

それでは、1つ1つ紹介いたします。

 

貸借対照表の見方「健康体」

貸借対照表の見方①健康体

まずはじめに「健康体」の貸借対照表から紹介します。

「健康体」は体力のある会社の状態のことをいいます。

他人資本=流動負債+固定負債
自己資本=純資産
総資本=他人資本+自己資本
自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

体力のある会社の自己資本比率の目安は、50%と言われています。

その他、経営分析の指標についてはこちらの記事でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

 

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貸借対照表の見方「症状1:メタボリック症候群」

貸借対照表の見方②メタボ

1つめの症状は「メタボリック症候群」になっている貸借対照表です。

固定資産が(固定負債と自己資本)より大きくなっている状態をいいます。

固定資産が(固定負債と自己資本)より大きくなっている為、それに伴い流動負債が流動資産を大幅に上回り、財務の安全性が著しく低下しています。

考えられる原因は、多額の設備投資資金を短期借入金で調達している状態であると推測され、入ってくるお金よりも出ていくお金が多く資金繰りが厳しい状況に。

対策としては、遊休資産を売却したり、短期借入金を長期借入金に変更したりすることが考えられます。

●診断●
固定資産>(固定負債+自己資本)
●考えられる原因●
多額の設備投資資金を短期借入金で調達
●治療方法●
遊休資産の売却
短期借入金の長期借入金への変更

 

 

貸借対照表の見方「症状2:動脈硬化」

貸借対照表の見方③動脈硬化

2つめの症状は「動脈硬化」になっている貸借対照表です。

売上債権が大幅に増加している状態をいいます。

売上債権が大幅に増加しているということは、現金化されない債権が増加していて資金繰りが悪化しているということです。

考えられる原因は、売上を重視しすぎて、売掛金の回収がおろそかになっていたり、回収できない売掛金が適切に処理されていなかったり、売掛金の回収サイト(売掛金を計上して、回収されるまでの期間)が長くなっている取引先があったりしていると推測されます。

治療方法としては、得意先別の売掛金管理を強化し、原因をあぶりだし、回収できるように促していくことになります。

●診断●
売上債権が大幅に増加
●考えられる原因●
売掛金の回収をおろそかにしている。
回収可能性のない売掛金が処理されていない。
売掛金の回収サイトが長くなっている取引先がある。
●治療方法●
得意先別の売掛金管理の強化

 

貸借対照表の見方「症状3:糖尿病」

貸借対照表の見方④糖尿病

3つめの症状は「糖尿病」になっている貸借対照表です。

たな卸資産が必要以上に増加している状態をいいます。

たな卸資産が必要以上に増えているということは、現金化されない在庫が過剰になっている為、資金繰りが悪化につながっています。

考えられる原因は、不良在庫や回転率の悪い商品の増加、過剰在庫品など、在庫管理をおろそかにしていることが推測されます。

治療方法としては、不良在庫の処分や在庫管理の徹底することになります。

●診断●
たな卸資産が必要以上に増加
●考えられる原因●
不良在庫や回転率の悪い商品の増加、過剰在庫品など、在庫管理をおろそかにしている
●治療方法●
不良在庫の処分や在庫管理の徹底。

 

貸借対照表の見方「症状4:記憶喪失」

貸借対照表の見方⑤記憶喪失!

4つめに症状は「記憶喪失」になっている貸借対照表です。

内容の不明瞭な多額の資金調達・運用が発生している状態をいいます。

内容の不明瞭な多額の資金調達・運用が発生しているということは、お金の流れを把握していないということであり、貸借対照表の信用性が著しく低下します。そのような決算書を金融機関に出しても融資してもらえる可能性は低いでしょう。

考えられる原因は、資金繰りの悪化や、経営者の公私混同のため、資金の出入りが不透明になっていると推測されます。おそらく、金融機関からの借入が困難になり、役員借入金が増加しているケースではないでしょうか?

治療方法は、長期滞留している役員借入金の資本金組み入れしたり、資金の出所を明確にしたりすることです。

●診断●
内容の不明瞭な多額の資金調達・運用
●考えられる原因●
資金繰りの悪化や、経営者の公私混同のため、資金の出入りが不透明になっている。
●治療方法●
長期滞留している役員借入金の資本金組み入れ

 

 

貸借対照表の見方「症状5:入院」

貸借対照表の見方⑥入院

5つめの症状は「入院」になっている貸借対照表です。

負債合計が資産合計を上回っている、すなわち債務超過の状態をいいます。

債務超過の状態ということは、企業としての存続が危惧されます。

考えられる原因は、赤字決算が続いていたり、症状1~4のような状態を治療せずに放置したりしたことが推測されます。

治療方法は、経営全般の見直しが必要になります。

●診断●
負債合計>資産合計
企業としての存続が危惧される。
●考えられる原因●
症状1~4のような状態を治療せずに放置した。
赤字決算が続いている。
●治療方法●
経営全般の見直しが必要。

 

貸借対照表の見方がわかる!経営指標4選

最後に貸借対照表の見方が初心者でもわかる経営指標を紹介します。

①自己資本比率・・・会社の安全性がわかる
②流動比率・・・返済能力があるかわかる
③当座比率・・・当面の安全性がわかる
④固定比率・・・中長期的な安全性がわかる

これらの経営指標は、企業の財務健全性や経営状態を評価するための重要な指標です。

順にみていきましょう。

 

①自己資本比率・・・会社の安全性がわかる

企業の純資産(自己資本)が総資産に占める割合を示す指標です。

自己資本比率が高いほど、企業は負債に依存せずに資金を調達できる可能性が高まります。

つまり、この指標により会社の安全性がわかります。

自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

例えば、ある企業Aが100億円の総資産を持ち、そのうち自己資本が40億円だった場合、自己資本比率は40%(40億円÷100億円)となります。

 

②流動比率・・・返済能力があるかわかる

企業の流動資産が流動負債に対してどれだけの割合を占めるかを示す指標です。

流動比率が高いほど、企業は短期の債務を迅速に返済できる可能性が高まります。

つまり、この指標により返済能力があるかわかります。

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

例えば、企業Bが50億円の流動資産と20億円の流動負債を持っている場合、流動比率は250%(50億円÷20億円)となります。

 

③当座比率・・・当面の安全性がわかる

企業の最も流動性の高い資産である当座資産が、流動負債に対してどれだけの割合を占めるかを示す指標です。

当座比率が高いほど、企業は急な支出や債務返済に対応しやすくなります。

つまり、当面の安全性がわかります。

当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

例えば、企業Cが30億円の当座資産と15億円の流動負債を持っている場合、当座比率は200%(30億円÷15億円)となります。

 

④固定比率・・・中長期的な安全性がわかる

企業の固定資産が自己資本に対してどれだけの割合を占めるかを示す指標です。

固定比率が低いほど、企業は固定資産を自己資本によって支えていることになります。

つまり、中長期的な安全性がわかります。

固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100

例えば、企業Dが50億円の固定資産と40億円の自己資本を持っている場合、固定比率は125%(50億円÷40億円)となります。

これらの指標は単体でなく、複数の指標を組み合わせて総合的に分析することが一般的です。

企業の財務健全性を判断する際には、これらの指標を総合的に考慮することが必要になります。

 

まとめ|貸借対照表の見方を健康診断にしたら初心者でもわかりやすい!

まとめ|貸借対照表の見方を健康診断にしたら初心者でもわかりやすい!

会社が今どんな状態なのか?資金の流れはどうなっているのか?というようなことは、貸借対照表から把握することができます。

初心者の方にもわかるように、貸借対照表の見方を健康診断に例えていきたいと思います。
健康体と別に、病気の症状の5つのパターンはこちらになります。

  • 貸借対照表の見方「健康体」
  • 貸借対照表の見方「症状1:メタボリック症候群」
  • 貸借対照表の見方「症状2:動脈硬化」
  • 貸借対照表の見方「症状3:糖尿病」
  • 貸借対照表の見方「症状4:記憶喪失」
  • 貸借対照表の見方「症状5:入院」

自分の会社の貸借対照表はどのパターンにあてはまるのか?しっかり把握し、健康体に向けてしっかり対策を取っていきましょう!

そして、貸借対照表の見方が初心者でもわかる経営指標を紹介します。

①自己資本比率・・・会社の安全性がわかる
②流動比率・・・返済能力があるかわかる
③当座比率・・・当面の安全性がわかる
④固定比率・・・中長期的な安全性がわかる

これらの指標は単体でなく、複数の指標を組み合わせて総合的に分析しましょう。

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