2021年12月3日(金)
「将軍の日」を福井県にて開催しました。
「将軍の日」とは、社長が1日で中期5ヵ年経営計画を立案するセミナーです。
今回は、運送業A社の経営者の方にご参加いただき、税理士や担当者のサポートのもと、1日かけて会社の未来について考えていただきました。
本記事では、参加していただいた経営者の想いと「将軍の日」ってどのようなことをするのかという1日の流れをご紹介いたします。
「将軍の日」を活用して中期5ヵ年経営計画を立てていただき、しっかり考えた経営理念を社員に浸透させ、全社員で会社の未来を切り開いていきましょう!
利益を上げたいのは「社員の幸せ」のため!
はじめに、中期5ヵ年経営計画立案セミナー「将軍の日」では、経営理念について考えていただきました。
運送業A社の経営者の方に御社の経営理念についてお伺いしたところ、経営理念はまだないとのことでした。
社歴はあれど、創業以来、社是も社訓も何もなく、ただ自分自身は「利益を上げたい」という想いでここまで頑張られてきたそうです。
そして、「お客様に満足していただくことで利益を上げ、社員と家族に豊かな生活を送ってもらいたい」ということを簡潔にして経営理念にできないだろうか?
そのようにおっしゃいました。
「利益を上げたい」という考えは、利益を還元することで「社員の幸せ」を願うところからきていたのですね。
「お客様満足」VS「従業員満足」!経営理念ではどちらを反映させる?
まず、経営理念を考える上で、「何を大切にしているか?」ということが問われます。
「お客様に満足していただくことで利益を上げ、社員と家族に豊かな生活を送ってもらいたい」というのが経営者の方のお考えならば、そのまま素直に「社員の幸せ」を願う経営理念となるでしょう。
しかし、それでは周りから「自分達さえ良ければいいと考えているのではないか?」と思われるかもしれないと躊躇する気持ちも出てきます。
実は昔から「お客様満足」か?「従業員満足」か?の考えはいろんなところで議論されています。実際どちらも大事なことですが、最近では「従業員満足」が重視される傾向があります。
その理由は「お客様を笑顔にしているのは誰?」ということにつながります。
社員に元気がないとお客様に良いサービスができません。
いい会社は社員を大切にします。
そうすると、社員がいきいきと働く職場になり、社員がお客様のことを考えた行動をするようになり、「お客様満足」にもつながるのです。
「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本 光司(著)
「社員が喜びを感じ、幸福になれて初めて顧客に喜びを提供することができる。 顧客に喜びを提供できて初めて収益が上がり、株主を幸福にすることができる。」という著者の考え方のもと、そのことを実証する「日本でいちばん大切にしたい会社」を紹介し、働くことの意味、会社という存在の意味を深く教えてくれる書籍です。
実際、経営理念に「社員の幸せ」を盛り込んだ企業はありますから、「社員の幸せ」を願う経営理念の案を箇条書きでたくさん出していただき、読み返してみることで、社長の想いが反映された経営理念に近づくことができるでしょう。
経営理念の事例をあげた記事がございますのであわせてご覧ください。
>>経営理念とは?わかりやすく例を挙げて効果や作り方を説明します!
>>経営理念が面白い企業21選!短い!英語!3拍子!で社内に浸透させよう!
ここからは、「社員の幸せ」を盛り込む経営理念とする方針で行った、中期5ヵ年経営計画「将軍の日」の内容と1日セミナーの流れをお伝えします。
中期5ヵ年経営計画「将軍の日」とは?
「将軍の日」とは、戦国時代に将軍が戦場から離れた陣営で、戦局を見極め、戦略・戦術を立てたように、経営者が日常業務から離れ、電話も来客もない環境で、会社の将来を考え抜く時間を持ち、中期5ヵ年経営計画を立てるセミナーです。
経営者の方は、いつも会社のことを考えています。
しかし、それは今月の売上であったり資金繰りであったりと直近の課題などについてがほとんどではないでしょうか?
目の前の課題をこなしていくことも大切ですが、それだけでは会社がどこに向かっていくのかみえません。
船旅において目的地に着くために羅針盤が必要なように、会社経営も目標にむかっていくことで直近の課題解決の方向性も示すことができるのです。
会社の未来をしっかり考えたくても、日常業務の中ではなかなか時間を取ることができないのが現状です。「将軍の日」では、日常から離れ、1日じっくり考えていただき、それを経営計画に落とし込んでいくことができます。
将軍の日の一日の流れ
「将軍の日」とは、日常業務から離れ、会社の将来を考え抜く時間を取り、中期5ヵ年経営計画を立てるセミナーだといいますが、実際にはどんなことをするのでしょうか?
「将軍の日」の1日の流れは次のようになっています。
【中期5ヵ年経営計画立案サポート「将軍の日」の当日の流れ】
10:00~10:30|導入講義
10:30~11:20|自社分析【実習 1】
11:30~12:25|経営理念・中期ビジョン【実習 2】
12:25~13:00|お昼休憩
13:00~14:45|5ヵ年数値計画【実習 3】
15:00~16:30|目標設定【実習 4】
16:30~17:30|まとめ
それでは、「将軍の日」の1日の流れがどのように行われるのかみていきましょう!
10:00~10:30|導入講義
はじめに、自己紹介をします。
その後、講師から経営計画の目的や経営に必要な3つの要素などの導入講義を受けます。
10:30~11:20|自社分析【実習 1】
つぎに現状を把握するため、自社分析をします。
「販売力分析」と「体力分析」の質問に5段階評価などしていただき、分析結果をみます。
11:30~12:25|経営理念・中期ビジョン【実習 2】
午前中の最後は、経営理念・中期ビジョンを立てます。
その理由は、中期5ヵ年経営計画を立てる前に社長が「目標」を示すことが大切であるからです。
「経営理念」を明確化し、「中期ビジョン(目標)」を設定していきます。
数年後(5年後)に「どうなっていたいか」「どうあるべきか」を事業規模や事業領域から考えることで、これからどこで勝負していくかということを明確にすることができます。
12:25~13:00|お昼休憩
お昼休憩では、本日の会場建物内にある食堂のお弁当をいただきました。
将軍の日では、自社の未来をしっかり考える為、頭をフル回転させます。
栄養バランスの整ったお弁当でとてもおいしかったです。
13:00~14:45|5ヵ年数値計画【実習 3】
午後からは、5ヵ年数値計画をたてていきます。
午前中に考えていただいた、数年後(5年後)に「どうなっていたいか」「どうあるべきか」を事業規模や事業領域を中期経営目標として設定します。
5年後のあるべき会社の姿を描きながら、そうなるための「売上・原価計画」、「人件費・他経費計画」、「設備・借入計画」について前向きな数値を経営シミュレーションしました。
15:00~16:30|目標設定【実習 4】
いよいよ目標設定です。
5年後に「どうなっていたいか」「どうあるべきか」といった中期経営目標を改めて確認します。
中期経営計画を踏まえて、当期は何をするかという当期経営目標を決定し、数値目標と行動目標を考えていただきました。
16:30~17:30|まとめ
最後に、経営者の方が作られた中期5ヵ年経営計画を印刷して冊子にし、授与式を行いました。
また、中期5ヵ年経営計画を達成していただく為に必要な事について、人類が月に行けた理由に基づいた「ロケット理論」を使ってご説明いたしました。
- 「目標が明確」になっていること
- 「目標達成方法」が具体化されていること
- 「達成管理の仕組み」が確立されていること
経営においても同じで、タイムリーに目標とのズレを把握し、すぐに改善の手立てが打てる仕組を持っておくことが目標を達成するために重要となります。
ロケット理論について詳しく書いてある記事がありますので、あわせてご覧ください。
まとめ|将軍の日で経営理念を考え、会社の未来を作っていこう!
「将軍の日」とは、社長が1日で中期5ヵ年経営計画を立案するセミナーです。
今回は、運送業者A社の経営者の方に会社の未来について考えていただきました。
1日の終わりに次のような感想をいただきました。
「自社を知ることができ、弱い所を補強することを考える機会になりました。経営理念を作り、社員に周知したいと思います。」
これから「社員の幸せ」を願う素敵な経営理念を作成され、ますます全社一丸となって明るい未来に向かっていけるのではないでしょうか。
経営理念の実現に向けて私達もサポートさせていただきます!