社員に売り上げを開示する会社は、近年増えてきています。
会社が社員に売り上げを開示することで、社員に会社の現状を理解してもらえたり、社員のモチベーションや会社全体の成功に関わってきたりするからです。
本記事は、会社が社員に売り上げを開示するメリットとデメリット、さらに開示する人や具体的な開示の方法について掘り下げていきます。
会社が社員に売り上げを開示するメリット
会社が社員に売り上げを開示するメリットはいろいろありますが、ここでは代表的な3つをご紹介します。
メリット②問題意識が高まる
メリット③当事者意識を持ってもらえる
順にみていきましょう。
メリット①数字に強くなる
会社が社員に売り上げを開示することで、社員は会社の財務状況や業績について直接的な情報を得やすくなります。
例えば、売り上げデータの定期的な閲覧により、社員は事業の動向や戦略を把握しやすくなり、会社のビジョンや目標に対する理解が高まり、ビジネスの大局が見えるようになります。
さらに、売り上げだけでなく、利益、コスト、予算などの重要な会計・財務に対する理解が深まり、結果、数字に強い社員が増えることでしょう。
メリット②問題意識が高まる
会社が社員に売り上げを開示することで、事業の問題や課題に対する意識が高まります。
例えば、例年より売り上げが低かった月を共有し、社員同士で話し合うことで問題の原因を特定し、改善策を提案することも良いでしょう。
そうしていくことで、社員は売り上げの変動をリアルタイムで共有し、問題が発生したときに早めに対処できるようになります。
メリット③当事者意識を持ってもらえる
会社が社員に売り上げを開示することで、社員は自分が会社の一部であることを強く感じるようになります。
例えば、個々の業績と売り上げの関係を共有することで、自分たちの部門やプロジェクトがどのように売り上げに影響を与えているか意識するようになり、自己肯定感と責任感が芽生えることでしょう。
結果として、当事者意識が高まり、社員は売り上げに積極的に貢献し、チームワークが強化されます。
会社が社員に売り上げを開示するデメリット
会社が社員に売り上げを開示するメリットがあるということは、デメリットもあるということです。
売り上げの開示が会社と社員にとって必ずしもポジティブな結果をもたらすわけではありません。
ここでは、会社が社員に売り上げを開示するデメリットを簡単にお伝えします。
デメリット②モチベーションが下がる
デメリット③外部に情報がもれる
順にみていきましょう。
デメリット①先行きが不安になる
会社が社員に売り上げを開示することで、社員が先行き不安に感じる可能性があります。
特に売り上げが不安定で大きな変動がある場合、社員は給与やボーナスに影響が出るのではと不安になりますし、売り上げが好調なのに給与やボーナスが上がらないと不審につながるかもしれません。
これにより、労働環境に不平不満を感じ、仕事に影響が出てくる可能性があります。
デメリット②モチベーションが下がる
会社が社員に売り上げを開示することで、社員のモチベーションが下がる場合があります。
例えば、売り上げの低下を目標未達成社員に開示すると、社員たちは売り上げ減少に責任を感じ、不満や挫折感を抱えてしまうかもしれません。
結果的に生産性が低下する可能性が高まります。
デメリット③外部に情報がもれる
会社が社員に売り上げを開示することで、外部に情報がもれる可能性があります。
例えば、売り上げ好調の情報がもれた場合、競合他社に戦略を読まれ、模倣される可能性があります。逆に、売り上げが低下している場合、世間からマイナスイメージを持たれる可能性があります。
どちらにしろ、市場での競争力に影響を及ぼすため、売り上げを開示するなら、慎重に情報セキュリティを管理したり、社員教育をしたりする必要があります。
社員全員に売り上げを開示するのか?
会社は社員に売り上げを開示すべきかどうかのメリットとデメリットはご理解いただけましたでしょうか?
ここでは、社員の誰に売り上げを開示するとどうなるのか?情報の開示範囲についてお伝えしてきます。
①全社員
売り上げの情報のみであるならば、すべての社員に対して開示している会社は結構あるのではないでしょうか?
例えば、売り上げ達成の目標に対して、達成した、または未達だったなどの情報があるとないとでは、現場のモチベーションに影響があるからです。
売り上げの開示により、会社の透明性が高まり、多くの社員がビジネスの全体像を理解しようとするかもしれません。
②部門/チームリーダー
一部の会社では、売り上げのデータを部門やチームリーダーに開示し、それを元に部門やチームごとの目標設定や戦略の策定を促しているケースがあります。
個々の能力に合わせた目標設定をすることで、部門やチームとして売り上げ達成に貢献できるよう努めることができます。
③セールス・営業担当者
セールス・営業担当者は売り上げに直結した仕事をしているため、売り上げ開示をおこなっている会社は非常に多いです。
これにより、セールス・営業担当者は売り上げ目標に対する進捗を追跡し、売り上げ貢献のため、顧客とよりよい関係を築くようになるでしょう。
社員に売り上げを開示する方法
社員に売り上げを開示方法はいろいろあります。
売り上げを開示する方法は、会社の文化や目標に合わせて柔軟に、最適な方法を見つけていきましょう。
①売り上げレポートを共有フォルダに保存
社員に売り上げを開示するために「売り上げレポートを共有フォルダに保存」する方法があります。
このレポートは、数字、グラフ、表などを使用して売り上げデータを視覚的に分かりやすく表現したもので作り、社員がいつでも見れるフォルダに保存し、誰でもアクセスできる形式にするとよいでしょう。
②売り上げ説明動画を作って共有
社員に売り上げを開示するために「売り上げ説明動画を作って共有」する方法があります。
売り上げデータを説明する動画を作成し、社員に共有することで、より視覚的な説明が可能になり、社員は自分が見たいときに売り上げに関する情報を得ることができます。
③社内メール等にて共有
社員に売り上げを開示するために「社内メール等にて共有」する方法があります。
社内メールや会社独自の通信ツールを使用して、売り上げデータや財務情報を社員に送信する方法です。
これにより、売り上げに関する情報を一気に効率的に伝えることができます。
④部門ミーティングやチーム会議で一部公開
社員に売り上げを開示するために「部門ミーティングやチーム会議で一部公開」する方法があります。
部門ミーティングやチーム会議に関係する売り上げのデータを公開し、部門やチームごとのデータを詳細に検討することで、社員同士で議論する機会が得られます。
⑤社内の業績会議で全体を公開
社員に売り上げを開示するために「社内の業績会議で全体を公開」する方法があります。
売り上げに関する社内の業績会議を定期的に開催し、社員に売り上げに関する情報を口頭で説明し、社員が質問を投げかけたり、議論に参加したりする機会を作ります。
これにより、社員が売り上げに関する情報や今後の事業戦略などを把握しやすくなり、全社一丸となって売り上げ達成に貢献することができるようになります。
まとめ|社員に売り上げを開示すべきかどうかは自社に合わせて考えよう!
ここまで、会社が社員に売り上げを開示するメリットとデメリット、さらに開示する人や具体的な開示の方法についてお伝えしてきました。
売り上げを社員に開示するかどうかは、会社にとって重要な決断の一つです。
売り上げ情報の透明性は会社の文化を強化し、社員のモチベーションを高め、チームの協力を促進する力を持っています。
しかし、デメリットもあることを無視できません。メリットとデメリットを知って、慎重に計画しましょう。
最終的に、会社が社員に売り上げを開示すべきかどうかの選択をし、社員との信頼関係を築くことが、会社にとって長期的な成功につながります。
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