会社の経営計画を達成するために自分のするべきことがわかっている人は、どのくらいいるのでしょうか?
経営計画を達成するためには、社員一人一人の協力なしではありえません。
でも自分のするべきことがわかっていなかったら?
ただ日々の業務をこなしているだけでは、経営計画の達成に近づいているのかどうか誰もわかりませんよね。
経営計画を達成するためには「経営計画の見える化」をしていくとよいでしょう。
本記事では、「経営計画の見える化」に努めることで、全社一丸となって経営計画を達成できるようにする方法をお伝えします。
「経営計画の見える化」を上手く取り入れて、会社のなりたい姿に向かって目指していきましょう。
経営計画の見える化とは?
「経営計画の見える化」とは、経営計画を達成するために、社内で経営計画の内容を見えるようにすることです。
経営計画の数値をすべて開示するわけではありません。経営計画が達成しやすいように内容をわかりやすく共有するという意味なのです。
例えば、会社の支店に「顧客満足度・従業員満足度120%」と経営計画のビジョンをかかげたとします。
ただ、経営計画のビジョンをかかげるだけでは、社員一人一人には響きません。
「あなたがお客様を大切にしたら、お客様に喜んでもらえて顧客満足度アップにつながり、満足して商品を買っていただける人が増え、経営計画の達成に近づくようになります。そして、給与アップや福利厚生の充実につながり、従業員満足度もあがるようになります。」
経営計画のビジョンをここまでかみ砕いて伝え、社員にとって身近な言葉にする必要があります。
そして
「なぜお客様を大切にするのか?」
「どうすると大切にしていることになるのか?」
経営計画のビジョンが「顧客満足度・従業員満足度120%」になった経緯や行動計画にして伝えると、さらに身近に感じて、経営計画を達成するための第一歩を全社員で踏み出すことができるでしょう。
このように経営計画のビジョンを共有することが「経営計画の見える化」の一つになります。
経営計画の見える化の5つのメリット
経営計画の見える化によって、経営計画の内容が見えるようになると社内に大きなメリットをもたらすことになります。
ここでは、経営理念の見える化によるメリットを5つ紹介します。
メリット②業務効率の改善につながる
メリット③迅速な対策が可能になる
メリット④コミュニケーションの強化につながる
メリット⑤長期的な成長戦略が持続される
順にみていきましょう。
メリット①迅速かつ正確な意思決定ができる
経営計画の見える化のメリットの1つ目は「迅速かつ正確な意思決定ができる」です。
見える化されたデータを活用することで、経営陣はより迅速かつ正確に意思決定を行うことができるようになります。リアルタイムの情報に基づく分析が可能となり、リスクの早期発見や機会を迅速に捉えることができるでしょう。
例えば、販売データの見える化により、在庫管理や商品の発注タイミングを最適化し、顧客満足度を向上させます。これにより、見える化されたデータをもとにした意思決定の迅速化と正確さが競争優位を生み出します。
メリット②業務効率の改善につながる
経営計画の見える化のメリットの2つ目は「業務効率の改善につながる」です。
経営計画を見える化することで、各部署や個々の従業員が自分たちの役割や目標を理解しやすくなります。これにより、無駄のない業務プロセスが確立され、全体の生産性が向上するでしょう。
例えば、あるプロセス改善手法を導入し、業務の見える化を進めます。製造プロセスの各ステップを可視化することで、無駄を排除し、生産効率を大幅に向上させることができます。この取り組みにより、製造コストの削減と品質向上が実現し、業務効率の改善につながります。
メリット③迅速な対策が可能になる
経営計画の見える化のメリットの3つ目は「迅速な対策が可能になる」です。
定量的な目標設定とその進捗状況の見える化により、経営陣は組織のパフォーマンスを継続的にモニタリングできます。これにより、問題点を早期に発見し、迅速な対策を講じることが可能となるでしょう。
例えば、各店舗の売上データや顧客フィードバックを見える化し、パフォーマンスを継続的にモニタリングしてみます。これにより、店舗ごとの課題を早期に発見し、迅速に対策を講じることが可能になり、店舗運営の最適化と顧客満足度の向上に役立ちます。
メリット④コミュニケーションの強化につながる
経営計画の見える化のメリットの4つ目は「コミュニケーションの強化につながる」です。
経営計画の見える化は、社内のコミュニケーションを円滑にします。全員が同じ情報を共有することで、意思疎通の行き違いを防ぎ、チームワークの強化が図れるでしょう。
例えば、リモートワークが増える中で、クラウドベースのツールを活用して情報を共有し、チーム全体が同じ目標に向かって効果的に協力できる環境を整えます。これにより、意思疎通の行き違いが減少し、プロジェクトの成功率の向上が図れます。
メリット⑤長期的な成長戦略が持続される
経営計画の見える化のメリットの5つ目は「長期的な成長戦略が持続される」です。
経営計画の見える化は、短期的な成果だけでなく、長期的な成長戦略の策定と実行にも役立ちます。継続的なモニタリングとフィードバックにより、持続可能な成長を実現するための調整が可能になるでしょう。
例えば、長期的な成長戦略を見える化し、全社員が理解できるようにします。これにより、短期的な業績だけでなく、持続可能な成長に向けた取り組みを一貫して進めることができます。戦略の見える化により、全社員が共通のビジョンを持ち、長期的な目標に向かって連携して働くことが可能です。
経営計画の見える化を実現する3つのステップ
経営計画の見える化の一つは、経営計画のビジョンを共有することと前章でお伝えしましたが、それをふくめて、経営計画の見える化を実現するためには次の3つのステップが必要になります。
- 経営計画の見える化①ビジョンを全社員で共有する
- 経営計画の見える化②会社の現状や課題を明確にする
- 経営計画の見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
一つ一つみていきましょう。
経営計画の見える化①ビジョンを全社員で共有する
経営計画の見える化の1つ目は「ビジョンを全社員で共有する」です。
まずは、全社員に経営理念や中期ビジョンを示し、自社の進むべき道を明確に伝えましょう。
みんなの進む方角が違うとそれだけで全体が疲弊します。
例えば
「わが社は快適な生活空間を提供することでお客様を笑顔にする!」
という経営理念を社内に浸透させるだけで、社員の仕事に対する姿勢も変わってくるものです。
全社一丸となって同じベクトルに向かうことで、将来あるべき姿に近づけます。
経営計画の見える化②会社の現状や課題を明確にする
経営計画の見える化の2つ目は「会社の現状や課題を明確にする」です。
会社の現状や課題を明確にし、少なくとも管理職となる社員には伝えましょう。
「大型施設オープンによる売上減少」
「資金繰り悪化による借入金返済の遅れ」
「人員不足による残業代の増加」 など
経営計画を実行するには、動機が必要です。
常に会社の現状や課題を明確にしておくことで、もし不測の事態に陥り、経営計画どおりに進まなくなっても、改善案や軌道修正案などが出やすくなります。
経営計画の見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
経営計画の見える化の3つ目は「社員一人一人のタスクに落とし込む」です。
経営計画を作っても社員一人一人は自分が何をしていいのかわかりません。
ただ単に「売上目標を達成しよう」といってもなかなか伝わらないのです。
「今月は残り100万円の利益を上げるために機械を3台を売ってほしい。」
「そのためにA地域を営業に5人で100件まわってみてはどうか?」
ここまで細かく社員一人一人のタスクに落とし込みましょう。
社員が自分でタスクに落とし込めるようになるまで、はじめは手助けをし、次第に自発的にできるように促すことも大切です。
経営計画の見える化は見えすぎなくてもいい
経営計画を達成するためには「経営計画の見える化」をしていきましょう!
とはいうものの、冒頭でもお伝えしたように、会社全体に経営計画の数値をすべて公開する必要はありません。
もちろん、社長の頭の中だけに経営計画をしまってはいけませんが、経営計画の数値は管理職クラスまででも十分でしょう。
そこから現場にどのように落とし込むかが重要になります。
例えば、社員一人一人の能力に合わせて「客単価○○円×〇人=○○円を目指すために、接客でプラス1点を心掛ける」というように、数値目標につながる行動計画もあわせて伝えます。
そして、達成できれば褒めたり、達成できない場合はできない要因を取り除くよう一緒に考えたりしましょう。そうすることで、社員一人一人が自分の数値目標と行動計画に向けて試行錯誤するようになり、自然と売上目標も達成するでしょう。
すべての数値をみせるよりも、社員一人一人が、課題解決に向けて行動し、効果を検証し、検証結果の基づき、次の行動をするという流れを作ることが大切です。このようにして経営計画の達成に近づけることが「経営計画の見える化」になっている状態であると言えます。
経営計画の見える化は数値で表す必要もある
経営計画の見える化は数値で表す必要もあります。
例えば、「客単価○○円×〇人=○○円を目指す」というような数値目標や「売上前年比110%達成を目指す」というような達成率など、経営計画の見える化をできるだけシンプルに数値化しましょう。
数値化しなければならない理由は、社員の行動による成果を誰に対しても正確に伝えるためです。
しかし、正直なところ、すべてを数値で表すのは難しい場合があります。
そもそも「顧客満足度・従業員満足度120%」なんてどこで計測するんだというところですが、例えば、事前にアンケートをして、1年後にもう一度同じアンケートをすることで満足度の伸び率をはかるなど、事前に計測方法を決めてから実行しましょう。そうすることで、数値で表しにくい項目も見える化できるようになります。
まとめ|経営計画の見える化は目標達成の近道になる!
経営計画の見える化は目標達成の近道になります。
なぜなら、社員一人一人が自分のするべきことがわかり、経営計画達成のための行動を起こしやすくなるからです。
経営計画の見える化を実現するためには次の3つのステップが必要になります。
- 見える化①ビジョンを全社員で共有する
- 見える化②会社の現状や課題を明確にする
- 見える化③社員一人一人のタスクに落とし込む
「経営計画の見える化」に努めることで、全社一丸となって経営計画を達成することが可能になります。
また、社員一人一人に、自分の行動が会社の経営に関係してくると伝わることで、責任感や充実感が生まれ、一人一人の行動が少しずつ変わってくることでしょう。
「経営計画の見える化」を上手く取り入れて、会社のなりたい姿に向かって目指していきましょう。
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当社が提供する経営計画サポートは、「現状を把握すること」「あるべき姿(目指す姿)を明確にすること」「全社員で共有すること」を促進し、ビジョンの達成、継続的な黒字経営を実現するための課題に取り組むことを支援することです。
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