会社の資金の流れを把握するための決算書であるキャッシュフロー計算書。
キャッシュフロー計算書はいつからあるのでしょうか?
キャッシュフロー計算書はどうして必要なのでしょうか?
本記事では、キャッシュフロー計算書の歴史と必要性について簡単にお伝えしていきます。
キャッシュフロー計算書の歴史と必要性を知ることで理解を深めていただき、今後の経営に少しでも役立ていただけたなら幸いです。
キャッシュフロー計算書の歴史
日本でキャッシュフロー計算書が上場企業に導入されたのは、1999年4月1日以後開始する事業年度からになります。
つまり、2000年3月決算以後の決算月を迎える上場企業は、キャッシュフロー計算書を作ることが義務付けられたことになります。
欧米諸国では1980年代後半から1990年代前半にかけてキャッシュフロー計算書の作成が制度化されましたが、日本も国際会計基準の一元化の流れによって導入されたものとみられます。
同じ決算書である貸借対照表や損益計算書は中世ヨーロッパで15世紀半ばから17世紀にできたといわれていますので、キャッシュフロー計算書は比較的新しいものではあります。
しかしながらキャッシュフロー計算書も貸借対照表や損益計算書に負けないくらい重要な役割を持っていますので、これからキャッシュフロー計算書の必要性についてみていきましょう。
キャッシュフロー計算書の必要性
キャッシュフロー計算書の必要性が大きくなったのは、1990年代です。
1991年、バブル崩壊により日本では景気後退期に入りました。地価の下落により、バブル経済時代に土地を担保に行われた融資は、担保価値が融資額を下回る担保割れの状態に陥り、金融機関は貸し出しに慎重にならざるを得ませんでした。
一見、経営が順調にみえる企業も現金化できるものがなくなれば経営がままならなくなります。いわゆる「黒字倒産」です。
そうならないためにもお金の流れをしっかりつかみ、危なくなる前に対処できるようにするため、上場企業の決算書にキャッシュフロー計算書が義務付けられたのです。
そもそもキャッシュフロー計算書とは?
そもそもキャッシュフロー計算書とは、どのようなものでしょうか?
決算書には、「貸借対照表」と「損益計算書」と「キャッシュフロー計算書」があります。
「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」はそれぞれ自分の会社の経営状態を見るのにとても重要です。
損益計算書・・・一定期間の企業活動の経営成績を表すもの
キャッシュフロー計算書・・・一定の期間におけるお金の流れを表すもの
「貸借対照表」をみれば、企業の財産(資産・負債)の状況がわかり、「損益計算書」をみれば、儲かっているかどうかがわかります。
そして「キャッシュフロー計算書」では、「企業の資金がなぜ足りなくなったのか?」「儲けたお金はどこに流れたのか?」といったお金の流れがわかるようになります。
「キャッシュフロー計算書」をみて、資金の増減の要因を明確にし、今後の経営に役立てられるよう、キャッシュフロー計算書の見方である3つのポイントからおさえていきましょう!
キャッシュフロー計算書の見方!3つのポイントとは?
キャッシュフロー計算書の見方である3つのポイントは、「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」のことをいい、それぞれ次のような特徴があります。
- 営業活動によるキャッシュフロー
→会社の本業である営業活動で稼いだお金 - 投資活動によるキャッシュフロー
→将来に向けて投資、または過去の投資を売却したお金 - 財務活動によるキャッシュフロー
→企業の財務に関する資金調達、または返済したお金
この3つのキャッシュフローを分析することで、なぜ資金が足りなくなったのか?儲けた利益はどこにいったのか?といったお金の流れがよくわかり、今後の対策がとれるようになります。
キャッシュフロー計算書の3つのポイントはこちらの記事に詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
>>キャッシュフロー計算書の見方!ポイント3つをおさえて分析しよう!
まとめ|キャッシュフロー計算書の歴史を知り、必要性を感じよう!
ここまで、キャッシュフロー計算書の歴史から、キャッシュフロー計算書の必要性や3つのポイントなどを簡単にお伝えしてきました。
お金の流れがわかると「企業の資金がなぜ足りなくなったのか?」「儲けたお金はどこに流れたのか?」がよくわかるようになります。
そうすれば、いつの間にかお金がなくなってしまったという状況になる前に何らかの対策を取ることが可能になります。
ギリギリになってからでは、取れる対策も限られてくるため、是非キャッシュフロー計算書を取り入れて、早めの対策を講じれるようにしていきましょう。
株式会社マストップは、将来こうなりたいと目指す姿に向かっている経営者と一緒に伴走していくMAS監査事業をおこなっています。
当社が提供する経営計画サポートは、「現状を把握すること」「あるべき姿(目指す姿)を明確にすること」「全社員で共有すること」を促進し、ビジョンの達成、継続的な黒字経営を実現するための課題に取り組むことを支援することです。
まずは当社の中期5ヵ年経営計画立案サポート「将軍の日」をご利用ください。
また、「このままいくと5年後どうなる?」という課題を明確にする「あんしん未来診断」も随時行っております。
税務会計業務に長け、企業の未来をサポートすることに特化とした経営支援のエキスパートによるZoom解説で、経営者の方にわかりやすくお伝えする「あんしん未来診断」もあわせてご利用ください。