SWOT分析とは?わかりやすく事例を挙げて紹介します!

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SWOT分析とは?わかりやすく事例を挙げて紹介します! 経営分析

SWOT分析は、「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素をもって自社の現状分析をし、今後の経営戦略の方向性を見極める際に有効な手法です。

なんとなくそういうことかなと思っていても、実際に「SWOT分析をしてみましょう!」という場面ではなかなかできないものです。

本記事では、SWOT分析の「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素を細分化して、それぞれの項目について内容を引き出しやすいように、わかりやすく事例を挙げて紹介します。

SWOT分析の4つの要素を整理し、自社の現状分析に役立てて経営戦略の方向性を見極めていきましょう!

 

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SWOT分析とは?わかりやすく5つのステップで紹介!

SWOT分析とは?

SWOT分析は、現状分析して今後の経営戦略の方向性を見極める際に有効な手法です。

企業の「内部環境」「外部環境」のプラス要素とマイナス要素を浮き彫りにすることで、市場の流れや不測のリスクに対して乗り越えるための打ち手を考えることができ、経営戦略を立てやすいといわれています。

下表のようなマトリックスに4つの要素を整理することで経営戦略の方向性を確認します。

プラス要素 マイナス要素
内部
環境

強み(Strengths)

弱み(Weaknesses)
外部
環境

機会(Opportunity)

脅威(Threat)

それでは、SWOT分析のやり方について5つのステップでお伝えしながら、「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素をわかりやすく事例を含めて紹介します。

 

【STEP1】目的意識を持とう!

【STEP1】では、目的意識を持つことをお伝えします。

SWOT分析を始める前は、何のためにするのか?という目的意識を持つことが大切です。

なぜなら、目的意識がないと重要性の低い内容や目的と関連性のない内容も列挙されてしまい、せっかく挙げた内容をどのように活かしていいのかわからなくなるからです。

「こうなりたい」という目的意識をもってSWOT分析をすることで、無駄なく網羅された内容を引き出すことができます。

例えば
「近くに大型競合店ができた・・・売上を上げたい!」
「毎月の支払がギリギリ・・・資金繰りをなんとかしたい!」

このように、経営をしていく上で課題になっていることを解決したいと目的意識を持ち、SWOT分析で現状把握をすることで、解決策が見つけやすくなるでしょう。

 

【STEP2】外部環境である「機会」と「脅威」を書こう!

【STEP2】では、外部環境である「機会」と「脅威」を書いていきましょう。

まず、SWOT分析の「機会」は、次の4つの項目から自社にとってビジネスの機会となるような環境変化を挙げていきます。

  • 経営環境の変化/業界の動向
  • 法律の改正
  • 同業他社の動向
  • 顧客の変化 

事例として、自動車販売・板金塗装を営む会社のSWOT分析の「機会」を紹介します。

機会
経営環境の変化
業界の動向
  • 板金や修理の需要が高まっている
法律の改正
  • 消費税が上がる前の駆け込み需要
  • 取得税の廃止
同業他社の動向
  • 一般整備、板金で1~2名でしているところが、仕事ボリュームが減って廃業の可能性大
  • 車業界の中での組み合わせや差別化が生まれている
顧客の変化
  • 商圏となる地域は公共交通機関が不十分のため車社会である
  • 軽自動車の維持費が安いので、需要がある

商圏となる地域は公共交通機関が不十分のため車社会ということで、法改正も伴い軽自動車の需要があがっています。合わせて板金や修理の需要が高まってきているという機会に恵まれているようです。

このように、自社にとってのビジネスの機会となるような環境変化を挙げていきましょう。

次に、SWOT分析の「脅威」は、次の4つの項目から自社の強みでもなかなか太刀打ちできないような環境変化を挙げていきます。

  • 経営環境の変化/業界の動向
  • 法律の改正
  • 同業他社の動向
  • 顧客の変化 

事例として、自動車販売・板金塗装を営む会社のSWOT分析の「脅威」を紹介します。

脅威
経営環境の変化
業界の動向
  • 価格競争
  • 保険料の改定
  • 車業界の変化は激しく、20~30年後にはガラッと変わってしまう
法律の改正
  • 消費税上がった後の買い控え
  • 軽自動車の税率増
同業他社の動向
  • 安価な車検の増加
顧客の変化
  • ちょっとした事故だと修理しない人が増加
  • 車両の保有率が下がっている

軽自動車の需要や板金、修理の需要などが高まっている反面、車両の保有率が下がっているうえに車検の価格競争に巻き込まれるという脅威があるということですね。

このように、自社の強みでもなかなか太刀打ちできないような環境変化を挙げていきましょう。

 

>>SWOT分析の機会と脅威の具体例と簡単な見つけ方

SWOT分析の機会と脅威の具体例と簡単な見つけ方
SWOT分析の外部環境となる「機会」と「脅威」をいきなり挙げるよう言われても、パッとは思いつかないものです。そこで、SWOT分析の外部環境となる「機会」と「脅威」を引き出す4つの要素で挙げられた具体例や実際にどのように情報収集するのかを知り、時代の流れに合わせた戦略で会社の将来を見据えていきましょう!

 

【STEP3】内部環境である「強み」と「弱み」を書こう!

【STEP3】では、内部環境である「強み」と「弱み」を書いていきましょう。

まず、SWOT分析の「強み」は、次の5つの項目から自社の長所となるところを挙げていきます。

  • 経営者
  • 販売
  • 生産
  • 財務

事例として、自動車販売・板金塗装を営む会社のSWOT分析の「強み」を紹介します。

強み
経営者
  • 営業力がある
  • 情報収集をしている
  • 納期を伝えると自分たちで段取りして期限をしっかり守ってくれる
  • 真面目である
販売
  • 車の利幅を低くしても、アフターケアを大切にして次に繋げる
生産
  • お客様のかゆい所に手が届くように
  • どんな時でもすぐに行ける
  • 常に気配りを意識している
財務
  • 支払いに関して現金主義にしている

お客様のことを常に考えた行動を心掛けて作業していることが強みになっているようですね。

このように、自社の強みを挙げていきましょう。

次に、SWOT分析の「弱み」は、次の5つの項目から自社の短所となるところを挙げていきます。

  • 経営者
  • 販売
  • 生産
  • 財務

事例として、自動車販売・板金塗装を営む会社のSWOT分析の「弱み」を紹介します。

弱み
経営者
  • 整備に関する知識が弱い
  • 営業できない
  • 職人が接客対応に弱い
販売
  • 営業が1人なので多くのお客様周りができない
  • お客様拡大が困難である
生産
  • 特殊な整備機材が必要な車種がある
  • 新型に対して、機械の買換えが必要である
財務
  • 資金力が弱い
  • 車両の立替がきつい

お客様のことを常に考えた行動を心掛けて作業している強みに対して、接客が弱いと対照的です。

職人肌の方が多く、お客様を拡大していくうえでお客様対応での難しさを感じておられるようです。

SWOT分析の強みと弱みは表裏一体にもなるのかもしれません。

このように、自社の弱みを挙げていきましょう。

 

【STEP4】クロスSWOT分析で経営戦略の方向性を見極めよう!

【STEP4】では、クロスSWOT分析で経営戦略の方向性を見極めていきます。

クロスSWOT分析の4つの組み合わせは次の通りです。

  • 「強み」×「機会」・・・強みと機会を最大限に活かしてできることは何か?
  • 「弱み」×「機会」・・・弱みによって機会を逃さないようにできることは何か?
  • 「強み」×「脅威」・・・強みを活かして脅威を克服するためにできることは何か?
  • 「弱み」×「脅威」・・・弱みと脅威によって訪れる危機を回避するためにできることは何か?

前章のSWOT分析の事例から、1例として「強み」×「機会」をあげてみましょう。

強み・・・車の利幅を低くしても、アフターケアを大切にして次に繋げる
機会・・・板金や修理の需要が高まっている

この「強み」×「機会」による戦略は次のとおりです。

車を売る利幅よりも、アフターケアや修理・板金・車検につなげることを重視し、リピーターとして長いおつきあいができるように努める。

このように、SWOT分析の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素で導き出された情報を掛け合わせることで、今後の経営戦略の方向性をさらに見極めていきましょう。

以下の記事では、クロスSWOT分析について更に詳しくお伝えしています。あわせてご覧ください。

>>クロスSWOT分析のやり方は?具体例を組み合わせごとに紹介!

クロスSWOT分析のやり方は?具体例を組み合わせごとに紹介!
クロスSWOT分析とはSWOT分析の「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの要素で導き出された情報を掛け合わせることで、今後の経営戦略の方向性をさらに見極めるためのフレームワークです。クロスSWOT分析で自社の持つ強みや機会を活かし、弱みや脅威を克服するための戦略をみつけて経営戦略に役立てましょう!

 

【STEP5】具体的なアクションプランを立てよう!

【STEP5】では、具体的なアクションプランを立てていきます。

アクションプランを立てる方法の1つとして、バランス・スコアカード(BSC)などのフレームワークを使うのもよいでしょう。

バランス・スコアカード(BSC)とは、経営的視点として不可欠な「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「人材と変革の視点」を使って、経営戦略の実現を可能にします。

例えば、先ほどの「強み」×「機会」による戦略についてです。

車を売る利幅よりも、アフターケアや修理・板金・車検につなげることを重視し、リピーターとして長いおつきあいができるように努める。

バランス・スコアカード(BSC)に反映させると

①「人材と変革の視点」・・・戦略実現のため、従業員の接客力を向上させる研修

②「業務プロセスの視点」・・・その結果、車検・定期点検などの案内をこまめに発信

③「顧客の視点」・・・これにより、顧客満足度が向上してリピーターになる

④「財務の視点」・・・継続的な売上の確保から最終目的である売上向上につながる

このように、①~④の流れに一貫性があるように作ることで、従業員にどのような行動を取ってもらえばいいのか、アクションプランがわかりやすくなります。

他の経営戦略についても①~④の流れに沿って、最終目的に結び付くようなアクションプランを立てていきましょう。

さらに、いつまでにどのくらいすればいいのかという数字による見える化を取り入れていくと、より目標達成につながります。

 

SWOT分析は経営者1人でするといい?社員とするといい?

SWOT分析はどのようにするといい?

SWOT分析は経営者1人で作ってもいいですし、社員と一緒に作ってもOKです。

以前、お客様にSWOT分析を提案したときは、経営者だけで作るケース、幹部で作るケース、全社員で作るケースとさまざまでした。

ただ、SWOT分析は個人作業でもいいですが、全社員を集めて集団で作業をすると、より多角的な視点で「強み」「弱み」「機会」「脅威」を引き出すことができます。

大きな紙などにSWOT分析の表を書き、各自付箋で貼ってもらう方法でしてみるとよいでしょう。

 

SWOT分析①

一通りみんなの意見が出たところで、似通った内容はグルーピングします。

SWOT分析②

似通った内容は1つの項目にまとめて箇条書きでまとめるとすっきりとまとまったSWOT分析になります。

SWOT分析③

このように内部環境の「強み」「弱み」と外部環境の「機会」「脅威」を洗い出すことで、現在の自社の位置づけを総合的に判断できる材料がそろうことになります。

この後は、SWOT分析で出てきた各要素を【STEP4】のクロスSWOT分析や【STEP5】のバランス・スコアカード(BSC)などのフレームワークを使ってより細かく展開し、経営戦略やアクションプランなどを策定していきます。

 

>>SWOT分析パワーポイントの作り方!テンプレート無料ダウンロード

SWOT分析パワーポイントの作り方!テンプレート無料ダウンロード
SWOT分析とは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの視点をもって自社の現状分析し、今後の経営戦略の方向性を見極める際に有効な手法です。本記事では、SWOT分析を実際にするときに使えるテンプレートの作り方をパワーポイントでご紹介するとともに無料ダウンロードもできるようにいたしました。

まとめ|SWOT分析とは?事例を参考に作ってみよう!

まとめ|SWOT分析とは経営戦略の方向性を見極める4つの視点

SWOT分析とは、「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素をもって自社の現状分析して今後の経営戦略の方向性を見極める際に有効な手法です。

この記事では、SWOT分析について事例をあげてわかりやすく説明しました。

SWOT分析の「強み」「弱み」は、次の5つの項目から自社の長所または短所となるところを挙げていきます。

  • 経営者
  • 販売
  • 生産
  • 財務

SWOT分析の「機会」「脅威」は、次の4つの項目から自社にとってビジネスの機会となるような環境変化または自社の強みでもなかなか太刀打ちできないような環境変化を挙げていきます。

  • 経営環境の変化/業界の動向
  • 法律の改正
  • 同業他社の動向
  • 顧客の変化

「強み」「弱み」「機会」「脅威」の細分化した項目や事例を参考にしてSWOT分析をつくってみましょう。

また、SWOT分析は個人作業でもいいですが、全社員を集めて集団で作業をすると、より多角的な見方で「強み」「弱み」「機会」「脅威」を引き出すことができますので、ぜひ全社員でSWOT分析をしてみてください。

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