「赤字なのに、なぜ会社は潰れないのだろう?」と疑問に感じたことはありませんか?
赤字経営=すぐ倒産というわけではありません。手元資金や融資によって事業を続けられる一方、赤字が長期化すれば資金繰りが悪化し、倒産リスクは高まります。
本記事では、赤字でも会社が潰れない理由から、赤字経営を続ける危険性、黒字化するための具体的な対策まで解説します。
赤字経営とは?赤字でも会社が潰れないのはなぜ?

ここでは、そもそも赤字経営とはどのような状態なのか、そして赤字でも会社が事業を続けられる理由を解説します。
赤字経営とは利益がマイナスの状態
赤字経営とは、会社の売上から仕入・人件費・家賃などの費用を差し引いた結果、利益がマイナスになっている状態のことです。
例えば、年間の売上が5,000万円あっても、仕入や人件費などの費用が5,500万円かかれば、500万円の赤字になります。一方、売上よりも費用が少なく、利益がプラスになっている状態が黒字経営です。
ただし、赤字といっても、どの段階でマイナスになっているかによって意味は異なります。まずは「売上はいくらあるか」だけでなく、「最終的にいくら利益が残っているのか」を確認することが大切です。
赤字=すぐ倒産ではない
赤字経営になったからといって、その時点ですぐに会社が倒産するわけではありません。なぜなら、会社を続けるためには利益だけでなく、手元に支払いに使える現金があることも重要だからです。
過去に蓄えた現金が十分に残っていたり、金融機関から融資を受けて資金を確保できていたりすれば、赤字でも仕入代金や給与などの支払いを続けられます。一方で、黒字経営でも資金が不足し、支払いができなくなれば事業を続けられません。「赤字だから危険」と単純に判断するのではなく、利益と資金繰りの両方を見ましょう。
赤字経営なのになぜ潰れない?会社が存続できる5つの理由

赤字経営が続いているにもかかわらず、事業を続けている会社もあります。「赤字なのになぜ会社が潰れないの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
ここでは、赤字経営でも会社が存続できる主な5つの理由を紹介します。
手元に現金・預金がある
赤字経営でも会社が潰れない理由の一つが、手元に十分な現金や預金が残っていることです。
過去に利益を積み重ねて現金を蓄えていれば、現在赤字であっても、その資金を使って給与や仕入代金などの支払いを続けられます。
会社を経営するうえでは、利益を出すことだけでなく、支払いに使える資金を確保しておくことも重要です。赤字になったからといって、すぐに手元のお金がなくなるわけではありません。そのため、一定の資金が残っている会社は、赤字でも事業を継続できます。
銀行から融資を受けている
赤字経営でも、銀行などの金融機関から融資を受けて資金を確保できていれば、会社は事業を続けられます。
ただし、融資は借りたお金なので、いずれ返済しなければなりません。赤字が長く続けば、追加の融資を受けることが難しくなる可能性もあります。そのため、融資で一時的に資金を確保するだけでなく、赤字の原因を見直すことが大切です。
一時的な赤字である
赤字経営でも、それが一時的なものであれば、すぐに会社が潰れるとは限りません。
新しい設備を導入したことで一時的に費用が増えたり、新規事業を始めるために先行して支出が発生したりすると、その年は赤字になることがあります。
このような場合、今後の売上や利益が増える見込みがあれば、将来的に赤字から黒字へ転換できる可能性があります。重要なのは、赤字になった事実だけを見るのではなく、「なぜ赤字になったのか」「今後、利益を出せる見込みがあるのか」を確認することです。
会計上は赤字でも現金が減らない費用がある
会社の利益を計算するときには、実際にはその時点で現金が出ていかない費用も計上されます。
代表的なものが「減価償却費」です。減価償却費は、購入した設備などの費用を決められた期間に分けて計上するものです。
会計上は費用が発生して利益が減っていても、その期に同じ金額の現金が支出されるわけではありません。このように、赤字だからといって、必ずしも赤字額と同じだけ現金が減っているとは限らないことを理解しておきましょう。
売却できる資産や支援してくれる親会社などがある
会社が赤字でも、土地・建物・機械など、売却して現金に換えられる資産を保有していれば、必要な資金を確保できる場合があります。親会社がある会社であれば、親会社から資金面で支援を受けることで事業を継続できるケースも。
このように、現在の利益が赤字であっても、会社にはさまざまな資金源があります。
ただし、資産の売却や外部からの支援は、赤字そのものを解決するものではありません。長期的に会社を存続させるには、赤字の原因を把握し、利益を生み出せる経営体質へ改善していくことが重要です。
赤字経営はいつ危険?潰れる会社との違い

ここでは、赤字経営を続けることで起こる問題や、黒字でも倒産してしまうケースについて解説します。
本当に危険なのは「赤字」より「資金がなくなること」
会社経営で本当に注意したいのは、赤字そのものよりも、支払いに必要な資金がなくなることです。
会社は、従業員への給与・仕入代金・家賃・借入金の返済などを支払えなくなると、事業を続けることが難しくなります。
赤字であっても手元に十分な資金があれば、すぐに倒産するとは限りません。一方で、赤字が続いて手元資金が減少している場合は注意が必要です。利益だけを見るのではなく、今後の入金と支払いを確認し、資金繰りも管理しましょう。
赤字が長期化すると何が起こる?
赤字が長期化すると、会社にさまざまな問題が起こる可能性があります。
手元の現金や預金が徐々に減少し、仕入代金や給与などの支払いが難しくなることも。金融機関から融資を受けにくくなったり、取引先から信用面を心配されたりすることもあります。赤字を補うために借入を増やせば、将来的な返済負担も大きくなります。
赤字が続いている場合は、「まだ潰れていないから大丈夫」と考えず、早めに原因を分析して対策することが大切です。
黒字でも潰れる「黒字倒産」に注意
会社が黒字であれば必ず安全というわけではありません。利益が出ていても、手元の現金が不足して支払いができなくなれば、事業を継続できなくなる可能性があります。これが「黒字倒産」です。
商品を販売して売上や利益が計上されていても、取引先から入金されるのが数カ月先であれば、その間に仕入代金や人件費などの支払いが必要になります。
このように、利益が出るタイミングと現金が入ってくるタイミングにはズレがあります。会社経営では利益だけでなく、資金繰りも確認することが重要です。
赤字経営から抜け出すには?黒字化のための5つの対策

赤字経営から抜け出すためには、ただ費用を削ればよいというわけではありません。まずは赤字になっている原因を把握し、その原因に合った対策を行うことが重要です。
ここでは、赤字経営から黒字化を目指すために取り組みたい5つの対策を紹介します。
なぜ赤字なのか原因を数字で把握する
赤字経営から抜け出すために、まず取り組みたいのが「なぜ赤字になっているのか」を数字で把握することです。
売上が足りないのか、仕入や外注費が高いのか、人件費やその他の固定費が大きいのかによって、必要な対策は変わります。
感覚だけで「もっと売上を増やそう」「経費を減らそう」と考えるのではなく、損益計算書などを確認し、どの項目が利益を圧迫しているのかを見つけましょう。赤字の原因が明確になれば、優先して改善すべきポイントも見えてきます。
売上だけでなく利益率を見直す
赤字を改善しようとすると、「売上を増やせば黒字になる」と考えがちです。しかし、売上が増えても利益率が低ければ、忙しくなるだけで利益が残らないことがあります。
対策として、商品やサービスごとの利益率を確認しましょう。売上の大きい商品でも利益が少なければ、価格・原価・販売方法などを見直す必要があります。
反対に、利益率の高い商品やサービスに力を入れることで、売上を大きく増やさなくても利益を改善できる場合があります。
無駄なコスト・業務を見直す
赤字経営を改善するには、無駄なコストを見直すことも重要です。通信費・外注費・不要なサブスクなど、長年見直していない支出がないか確認してみましょう。
ただし、単純に費用を削ればよいわけではありません。人員を減らしたことで残った社員の負担が増えたり、商品の品質や顧客対応を悪化させたりすると、将来的に売上が減る可能性があります。
不要な業務をやめる、作業を効率化するなど、売上や生産性を落とさずにコストを適正化することがポイントです。
資金繰りを管理する
赤字経営では、利益だけでなく「これから支払いに必要な資金が足りるのか」を確認することも大切です。赤字が続いていても手元資金が十分なら事業を続けられますが、資金が尽きれば支払いができなくなってしまいます。
対策として、今後の入金と支払いを整理し、資金繰りを見える化しましょう。いつ、いくら入金され、いつ、いくら支払うのかを把握することで、資金が不足する時期を早めに発見できます。
資金繰りを管理することは、会社を守りながら黒字化を進めるためにも重要な取り組みです。
中期的な経営計画を立てる
赤字経営から抜け出すには、目先のコスト削減だけでなく、中長期的にどのような会社を目指すのかを決めることが大切です。
売上をいくらにするのか、どの商品に力を入れるのか、どれくらいの利益を確保するのかを具体的な数字に落とし込みます。
経営計画を立てることで、現在の経営状況と目標との距離が明確になります。目標を達成するために「何をいつまでに行うのか」も考えやすくなります。その場しのぎの赤字対策ではなく、計画的に利益を生み出せる会社へ変えていくことが重要です。
赤字経営に関するよくある疑問

ここでは、赤字経営に関するよくある疑問を解説します。
Q1.赤字経営だと何年で会社が潰れる?
赤字経営になったからといって、「何年で必ず会社が潰れる」ということはありません。
会社が事業を続けられるかどうかは、赤字の期間だけでなく、手元にどれだけ資金があるのか、今後どれくらいの資金が必要なのかによって変わります。
赤字が続いていても十分な現金や預金があれば、すぐに倒産するとは限りません。一方で、赤字が少なくても資金が尽きて支払いができなくなれば、経営は行き詰まります。赤字の年数だけで判断せず、資金繰りと赤字の原因を確認することが大切です。
Q2.赤字でも銀行から融資を受けられる?
赤字だからといって、必ずしも銀行から融資を受けられないわけではありません。
金融機関は赤字か黒字かだけではなく、赤字になった理由・今後の改善見込み・資金の使い道・返済できる見通しなどを含めて判断します。
一時的な設備投資によって赤字になっている場合や、今後の売上・利益の改善が見込まれる場合には、融資を受けられる可能性があります。ただし、赤字が長期化し、改善の見込みがない場合は資金調達が難しくなることもあります。融資に頼るだけでなく、経営改善を進めることが重要です。
Q3.赤字経営のメリットはある?
赤字経営には、税負担が軽減される場合があるという側面があります。
法人の場合、利益に対して課税される法人税は、赤字であれば基本的に利益がないため、その負担が小さくなります。一定の条件を満たせば、赤字を翌期以降に繰り越し、将来の利益と相殺できる制度もあります。
ただし、「税金を減らすために赤字にする」ことが経営上のメリットになるとは限りません。赤字が続けば資金が減少したり、融資を受けにくくなったりする可能性があります。税負担だけを見るのではなく、会社全体の利益や資金を考えて判断することが大切です。
Q4.赤字経営と黒字倒産はどちらが危険?
赤字経営と黒字倒産は、単純にどちらが危険とは言い切れません。
赤字経営でも手元資金が十分にあれば事業を続けられますが、黒字であっても支払いに必要な現金が不足すれば、会社は事業を継続できなくなる可能性があります。
赤字か黒字かだけで判断せず、利益と資金繰りの両方を確認することが重要です。
まとめ|赤字でもすぐには潰れないが、赤字を放置しないことが重要

赤字経営でも、手元資金や融資などによって支払いを続けられるうちは、すぐに会社が潰れるわけではありません。
しかし、赤字が長期化して資金が減り続ければ、いずれ資金繰りが厳しくなる可能性があります。大切なのは、赤字の原因を数字で把握し、売上・利益率・コスト・資金繰りを見直すことです。
将来の黒字化を目指すには、目先の対策だけでなく、中期的な経営計画を立てることも重要です。中期5ヵ年経営計画策定セミナー「将軍の日」では、自社の現状を分析し、5年間の経営計画を1日で策定します。
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