資金繰り表の作り方!エクセルで一から作る7つのステップ

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資金繰り対策

資金繰り表は、将来の資金の出入りを予測し、資金残高がどうなるかを未来予測することができる表です。

資金不足が予測される場合、事前に対策をしておくことができるので、経営をしていく上で資金繰り表はとても大切であると言えるでしょう。

しかし、資金繰り表の作成は任意のため、決まった形式はありません

したがって、自分でエクセル作成することも可能なのです。

本記事では、資金繰り表をエクセルで一から自分で作る方法をお伝えします。

資金繰り表を作れると今後の経営の見通しがしやすくなりますので、是非取り組んでみましょう!

 

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資金繰り表の作り方!エクセルで一から作る7つのステップ

資金繰り表の作り方!エクセルで一から作る7つのステップ

資金繰り表の作り方は、実際に作ったエクセル表をお見せしながら説明します。

主な準備物は「試算表」「エクセルシート」です。

今回は、例として(株)MASナビ商事の令和3年4月の試算表をもとに、実際の金額を記入し、その先は未来予測で金額を入れていきます。

 

【(株)MASナビ商事の試算表】(資金繰り表開始時点の残高一覧表)

ステップ0残高試算表

 

【エクセルシート】

ステップ0エクセルシート

 

資金繰り表は次の7つのステップで作っていきます。

  • ステップ1:資金繰り表の枠組みを作成します
  • ステップ2:資金繰り表のセルに数式などを入力します
  • ステップ3:月初資金有り高を入力します
  • ステップ4:収入に資金の増減を入力します
  • ステップ5:支出に資金の増減を入力します
  • ステップ6:財務に資金の増減を入力します
  • ステップ7:未来予測して資金繰り表を完成させます

それでは、順にみていきましょう!

 

ステップ1:資金繰り表の枠組みを作成します

まずはじめに、資金繰り表の枠組みを作成します。

完成図はこちらになります。

ステップ1資金繰り表の枠

 

セルの結合や罫線などを使って見やすく作っていきましょう!

ステップ1セルの結合や罫線

 

ステップ2:資金繰り表のセルに数式などを入力します

資金繰り表のセルに数式などを入力します。

はじめに数式を入れるセルは9か所です。

令和3年4月の列であるE列から順に入力します。

項目 数式等
月初資金有り高(A) 4月は試算表から入力(5月はF6=E30)
収入の計(B) E12=SUM(E7:E11)
支出の計(C) E21=SUM(E13:E20)
差引過不足(D=B-C) E22=E12-E21
借入金の計(E) E25=SUM(E23:E24)
借入金返済の計(F) E28=SUM(E26:E27)
財務の計(G=E-F) E29=E25-E28
月末資金有り高(H=A+D+G) E30=E6+E22+E29
合計欄 縦計、横計を入れる

 

ステップ2資金繰り表のセルに数式

 

ステップ3:月初資金有り高を入力します

月初資金有り高を入力します。

月初資金有り高は試算表の「現金」「当座預金」「普通預金」など現預金の合計を入れましょう。

【例】試算表より(千円)
現金 6,400
当座預金 48,176
普通預金 0(今期より作成)
月初資金有り高 54,576

 

ステップ3月初資金有り高

 

ステップ4:収入に資金の増減を入力します

資金繰り表の収入に資金の増減を入力します。

資金繰り表の収入は、売上台帳や手形帳などを参考に「売上代金」「営業外収益」の資金の増減を入れましょう。

例えば、現金商売であれば「売上=現金売上」になるので試算表から一目瞭然ですが、そうでない場合は試算表からは計算できませんので、売上台帳などから入金の集計をします。

このように実際に資金がどう動いたのかを入力するとよいでしょう。

※「売上代金」・・・「現金売上」「売掛金入金」「受取手形等取立」「手形割引」の合計

【例】売上代金(千円)
現金売上の入金額 →3,350
売掛金入金の入金額 →18,248
受取手形の取立の入金額 →880
手形割引した入金額 →0
現金売上 3,350
売掛金入金 18,248
受取手形等取立 880
手形割引 0

 

※「営業外収益」・・・「受取利息」「受取配当金」「雑収入」の合計

【例】営業外収入(千円)
受取利息は税引後の入金額 →0
受取配当金は税引後の入金額 →65
雑収入は入金額 →0
営業外収入 65

 

ステップ4収入に資金の増減入力

 

ステップ5:支出に資金の増減を入力します

資金繰り表の支出に資金の増減を入力します。

資金繰り表の支出は、仕入台帳や経費帳、手形帳などを参考に「仕入」「経費」「仕入・経費以外の費用」の資金の増減を入れましょう。

例えば、仕入を全部その場で現金で支払っているのであれば「仕入=現金仕入」になるので試算表から一目瞭然ですが、そうでない場合は試算表からは計算できませんので、仕入台帳などから支払の集計をします。

このように実際に資金がどう動いたのかを入力するとよいでしょう。

※「仕入」・・・「現金仕入」「買掛金支払」「手形決済」の合計

【例】仕入(千円)
現金仕入の支払額 →1,646
買掛金支払の支払額 →9,404
手形決済の支払額 →1,278
現金仕入 1,646
買掛金支払 9,404
手形決済 1,278

 

※「経費」・・・「未払費用」「賃金給与」「支払利息」「上記以外の経費」の合計

【例】経費(千円)
未払費用の支払額 →1,315
賃金給与の支払額 →2,201
支払利息の支払額 →1,074
上記以外の経費の支払額 →2,325
未払費用 1,315
賃金給与 2,201
支払利息 1,074
上記以外の経費 2,325

 

※「仕入・経費以外の費用」・・・「手形売却損」「雑損失」などの合計

【例】仕入・経費以外の費用(千円)
手形売却損は支払額 →0
雑損失は支払額 →0
仕入・経費以外の費用 0

 

ステップ5支出に資金の増減を入力

 

ステップ6:財務に資金の増減を入力します

資金繰り表の財務に資金の増減を入力します。

資金繰り表の財務は、借入返済予定表などを参考に「借入金」「借入金返済」の資金の増減を入れましょう。

※「借入金」・・・「短期借入金」「長期借入金」の合計

【例】借入金(千円)
短期借入金は借入した額 →5,657
長期借入金は借入した額 →0
短期借入金 5,657
長期借入金 0

 

※「借入金返済」・・・「短期借入金」「長期借入金」の合計

【例】借入金返済(千円)
短期借入金は返済した額 →726
長期借入金は返済した額 →0
短期借入金 726
長期借入金 0

 

ここまで入力出来たら資金繰り表の準備完了です。

ステップ6財務に資金の増減を入力!

 

最後に月末資金有り高が試算表と同じになるか確認しましょう。

一致しない場合は各項目の資金の動きに間違いがないか再確認してください。

ステップ6月末資金有り高!

 

ステップ7:未来予測して資金繰り表を完成させます

ここから、毎月の資金の動きを予測して資金繰り表を完成させます。

重要なのは、資金繰り表の月末資金有り高がマイナスにならないことです。

前期と同じような流れだと半年後には資金繰りが厳しくなる場合は、その前に売上アップの施策経費削減などを検討したり、金融機関に融資依頼したりなどの対策を資金繰り表に反映させましょう。

ステップ7資金繰り表の完成図

 

資金繰り表のエクセルシートを無料ダウンロードしよう!

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今回作った資金繰り表はエクセルシートのまま無料ダウンロードできます。

数式は入っていますので、数字はご自身で入れてください。

この資金繰り表のエクセルシートは、ご自身の事業に合わせて変更しても大丈夫ですが、数式が変わる可能性があるため、変更後は数式があっているか十分確認の上資金繰り表を作成してください。

今回の事例が記入されたPDFをおつけしますので、参考にしていただければ幸いです。

  • 資金繰り表エクセルシート(Excel
  • 今回の事例が記入された資金繰り表(PDF

 

資金繰り表のエクセルシートを無料ダウンロードできるサイト紹介!

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資金繰り表のエクセルシートは、この記事以外でも無料ダウンロードできるサイトがあります。

今回は日本政策金融公庫のサイトを紹介します。

日本政策金融公庫のサイトでは、用途に合わせた資金繰り表がエクセルで無料ダウンロードできます。特に資金繰り表のエクセルシートに簡易版や詳細版があり、使い分けできて便利です。

国民生活事業のページより「借入申込書等」の「16資金繰り表・資金繰り表(簡易版)」「17資金繰り表記入例」からご覧ください。
中小企業事業のページより「経営計画策定に役立つ各種資料について」の「1資金繰り表の簡易版・詳細版」「2資金繰り表(作成手順及び記載例)の簡易版・詳細版」からご覧ください。

資金繰り表は決まった形式はありませんので、お好みに合わせてお選びください。

なお、ダウンロードしたエクセルを自社用に変更しても問題ないですが、先ほども申し上げたとおり、セルに入っている数式などが変わることがあります。変更後は必ず数式が正しいか確認してから資金繰り表を作成してください。

 

資金繰り表の作り方は2通りある!

資金繰り表の作り方は2通りある!

資金繰り表の作り方は2通りあります。

1つは「過去の実績から予測していく方法」で、もう1つは経営計画から落とし込んでいく方法」です。

過去の実績から予測していく方法は、過去の実績に応じた数値が入ります。次期の変更点がある場合は、例えば役員報酬の変更とか経費削減などの変更点だけを追加していく形になります。

この方法は「このままいくと、どうなるのか?」と先をみることができます。したがって資金不足による倒産リスク回避のための確認ができるため、とても重要です。

 

また、経営計画から数値を落とし込んでいく方法は、その経営計画にこれから「3年かけて県外に15支店を出したい!」「5年後には売上3倍にするぞ!」といった社長の思いが入っているため、経営計画に伴う資金需要、返済計画について金融機関に説明する資料としての資金計画になります。

社長の思いに基づいた資金繰り表であれば、金融機関に融資を依頼する際に、社長ご自身の言葉で今後の見通しをしっかり伝えることができます。

是非、経営計画もあわせて作っていきましょう!

>>中期経営計画はわかりやすい作り方!5つのステップで会社の未来を描こう!!

中期経営計画のわかりやすい作り方!5つのステップで会社の未来を描こう!!
中期経営計画を作ってもいつも計画倒れ・・・そんなふうに思っていませんか?それは数字を当てはめただけの中期経営計画だからかもしれません。本来、中期経営計画は経営者の思いを数字に落とし込んでいくものです。本記事では中期経営計画のわかりやすい作り方である5つのステップを活用して経営者の思いを数値化していく流れをお伝えします。

まとめ|資金繰り表の作り方!エクセルで一から作ってみよう!!

まとめ|資金繰り表の作り方!エクセルで一から作ってみよう!!

資金繰り表をエクセルで作ることができましたか?

将来資金の残高がどうなるかは、資金繰り表で未来予測します。

資金繰り表を作ることは経営をしていく上でとても大切です。

なぜなら、事前に資金不足などを確認し適切な対策をしておくことができるからです。

特に、金融機関は貸したお金がちゃんと返ってくるかが気になるところなので、融資の際には資金繰り表を求められることもあるでしょう。

資金繰り表を提出すると信用度も高まりますから準備しておくのもベストですね!

当社では資金繰り表を作るお手伝いもさせていただいております。是非お問い合わせください。

株式会社マストップは、将来こうなりたいと目指す姿に向かっている経営者と一緒に伴走していくMAS監査事業をおこなっています。

当社が提供する経営計画サポートは、「現状を把握すること」「あるべき姿(目指す姿)を明確にすること」「全社員で共有すること」を促進し、ビジョンの達成、継続的な黒字経営を実現するための課題に取り組むことを支援することです。

まずは当社の中期5ヵ年経営計画立案サポート「将軍の日」をご利用ください。

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