営業利益率が高いデメリットとは?利益率が高すぎる会社が注意すべきポイント

営業利益率が高いデメリットとは?利益率が高すぎる会社が注意すべきポイント 経営計画

「営業利益率が高い会社は優良企業」とよくいわれますが、本当に高ければ高いほど良いのでしょうか。

実は、営業利益率が高すぎる会社には、将来への投資不足や人材流出など、見落とされがちなリスクが潜んでいることもあります。大切なのは、営業利益率という数字だけを追いかけるのではなく、その利益をどのように活用して会社を成長させるかという視点です。

この記事では、営業利益率が高いデメリットや適正な目安、高い会社に共通する特徴、利益率を改善・維持する方法まで解説します。

 

営業利益率が高い会社は本当に良い会社なのか

営業利益率が高い会社は本当に良い会社なのか

営業利益率が高い会社は、一般的に「利益をしっかり出せている優良企業」というイメージがあります。しかし、営業利益率は高ければ高いほど良いというわけではありません。

ここでは、営業利益率の基本的な意味と、高いことのメリット、そして高すぎる場合に注意すべきポイントについて解説します。

 

営業利益率とは

営業利益率とは、売上高に対して本業でどれくらい利益を残せているかを表す指標です。

営業利益÷売上高×100」で計算され、会社の収益性を判断する際によく使われます。

例えば、売上高が1,000万円で営業利益が100万円の場合、営業利益率は10%です。つまり、売上100円あたり10円の利益を本業で生み出していることになります。

営業利益率が高いほど、効率よく利益を出している会社といえます。そのため、経営者だけでなく、金融機関や投資家も会社の経営状態を判断する重要な指標として注目しています。

 

営業利益率が高いことは基本的には良いこと

営業利益率が高い会社は、本業で効率よく利益を生み出せている状態です。

同じ売上高でも利益率が高ければ、その分だけ手元に残る利益が増えます。利益に余裕があれば、設備投資や人材採用、新商品の開発など、会社の成長につながる取り組みに資金を回すことが可能です。

利益を安定して確保できる会社は、金融機関からの信用も高まり、融資を受けやすくなる傾向があります。このように、営業利益率が高いことは、会社の経営基盤を強くし、将来の成長を支える大きなメリットがあるといえるでしょう。

 

しかし、高すぎる場合は注意が必要

営業利益率が高いことは良いことですが、高すぎる場合は必ずしも安心できるとは限りません。

例えば、利益を優先するあまり、人材育成や設備投資を控えていると、短期的には利益率が高くても、将来的な成長力が低下する恐れがあります。また、利益率が高い市場は競合他社が参入しやすくなり、価格競争が激しくなる可能性も。そして、社員への利益還元が十分でなければ、離職につながることもあるでしょう。

重要なのは営業利益率の高さそのものではなく、得られた利益をどのように活用し、会社の成長につなげているかという視点です。

 

営業利益率が高すぎる5つのデメリット

営業利益率が高すぎる5つのデメリット

営業利益率が高いことは、基本的には会社にとって良いことです。しかし、高すぎる状態が続いている場合は、経営上の課題が隠れていることがあります。

ここでは、営業利益率が高すぎることで起こり得る5つのデメリットを紹介します。

 

将来への投資が不足している可能性がある

営業利益率が高い状態が続いている場合、人材育成設備投資新商品開発などへの投資を十分に行っていない可能性があります。

もちろん、利益を出すことは大切ですが、利益を残すことだけを優先すると、会社の成長力は徐々に低下してしまいます。

例えば、古い設備を使い続けたり、人材教育を後回しにしたりすると、短期的には利益率が高く見えても、長期的には競争力を失う原因に。利益は蓄えるだけでなく、将来の成長につながる投資へ活用することが重要です。

 

競合他社が参入しやすくなる

営業利益率が高い業界や商品は、「利益が出しやすい市場」と判断され、新たな競合他社が参入しやすくなります。

競合が増えれば、価格競争やサービス競争が激しくなり、現在の高い利益率を維持することが難しくなるでしょう。また、他社がより魅力的な商品やサービスを提供すれば、顧客を奪われる可能性もあります。

高い利益率に安心するのではなく、自社の強みをさらに磨き、競合との差別化を続けることが、利益率を維持するためには欠かせません。

 

社員への還元不足で人材が定着しにくくなる

会社が高い利益を上げていても、その利益が社員の給与や賞与、教育環境の改善などに還元されていなければ、不満が生まれることがあります。

社員は会社の業績だけでなく、「自分たちにも成果が還元されているか」を見ています。そのため、利益ばかりを重視して還元を怠ると、優秀な人材ほど他社へ転職してしまう可能性があります。

営業利益率を高めることも大切ですが、利益を社員へ適切に還元し、働き続けたいと思える職場をつくることも、企業の成長には欠かせません。

 

税負担が大きくなる

営業利益が増えると、それに伴って法人税などの税負担も大きくなります。

利益が出ること自体は良いことですが、何も対策をしなければ、多くの利益が税金として支払われることになります。そのため、利益をそのまま残すだけではなく、設備投資や人材育成など、将来の成長につながる支出を計画的に行うことも重要です。

ただし、税金を減らすことだけを目的に不要な支出を増やすのは本末転倒です。税金だけを見るのではなく、会社全体の成長を考えた利益の使い方を意識しましょう。

 

価格設定を見直す余地を見逃すことがある

営業利益率が高い状態が続くと、「現在の価格設定で問題ない」と考えてしまい、市場環境の変化に気づきにくくなることがあります。

しかし、顧客ニーズや競合の動きは常に変化しています。利益率が高いからといって現状維持を続けていると、競争力を失う可能性もあります。高い利益率は、付加価値以上の価格設定になっているサインである場合もあります。

定期的に価格と提供価値のバランスを見直し、お客様に選ばれ続ける価格戦略を考えることが重要です。

 

営業利益率の目安と考え方

営業利益率の目安と考え方

営業利益率は、高ければ高いほど良いという単純なものではありません。業種や事業内容によって適正な水準は異なるため、自社に合った目安を知ることが大切です。

ここでは、営業利益率の一般的な目安と、経営者として押さえておきたい考え方を紹介します。

 

営業利益率の目安は何%なのか

営業利益率に明確な基準はありませんが、一般的には5%前後が標準的な水準といわれています。

5〜10%であれば収益性が高い会社、10%を超えると非常に優良な会社と評価されることが多いでしょう。

一方で、0%以下は本業で利益を出せていない状態であり、早急な改善が必要です。ただし、この目安は業種によって大きく異なります。例えば、製造業と小売業では利益率に差があるため、他業種と比較するのではなく、同業他社と比較することが重要です。

 

営業利益率の適正水準とは

営業利益率の適正水準は、会社の業種や事業モデル、成長段階によって異なります。そのため、「何%なら正解」という数字はありません。

例えば、新規事業への投資を積極的に行っている会社は、一時的に営業利益率が低くなることがあります。一方、成熟した事業では高い利益率を維持しやすいでしょう。

重要なのは、業界平均を参考にしながら、自社が継続的に利益を確保できる水準を目指すことです。数字だけにとらわれず、自社の経営方針に合った利益率を考えることが大切です。

 

営業利益率の目安と考え方

営業利益率は経営状態を判断する重要な指標ですが、その数字だけで会社を評価することはできません。

例えば、営業利益率が高くても設備投資や人材育成を控えていれば、将来の成長力は低下する可能性があります。反対に、一時的に利益率が低くても、将来に向けた投資を積極的に行っている会社は、長期的な成長が期待できます。

大切なのは、「営業利益率を何%にするか」ではなく、「その利益をどのように活用して会社を成長させるか」という視点を持つことです。利益率は目的ではなく、健全な経営を実現するための指標として活用しましょう。

 

営業利益率が高い会社に共通する特徴

営業利益率が高い会社に共通する特徴

営業利益率が高い会社には、いくつかの共通した特徴があります。それは、単に売上が多い会社ではなく、「利益を生み出す仕組み」が整っていることです。

ここでは、営業利益率が高い会社に共通する3つの特徴を紹介します。

 

利益率の高い商品・サービスを持っている

営業利益率が高い会社は、利益率の高い商品やサービスを主力として販売しています。

価格の安さで勝負するのではなく、品質や技術力、独自性などの付加価値によって、お客様に選ばれているのが特徴です。そのため、価格競争に巻き込まれにくく、安定した利益を確保できます。利益率の高い商品を増やすことで、売上を大きく伸ばさなくても利益を確保しやすくなります。

営業利益率を高めるには、「何を売るか」だけでなく、「どの商品が利益を生み出しているか」を把握することが重要です。

 

売上より利益を重視している

営業利益率が高い会社は、「売上を増やすこと」よりも「利益を残すこと」を重視しています。

売上が増えても、利益が残らなければ会社は成長できません。そのため、必要以上の値引きや利益の少ない仕事を避け、利益が確保できる取引を優先しています。経営判断を行う際も、「売上はいくら増えるか」ではなく、「どれだけ利益が増えるか」という視点で考えています。

このような考え方が、無理な価格競争を避け、安定した経営につながっているのです。

 

経営数字を継続的に管理している

営業利益率が高い会社は、売上や利益を決算時だけ確認するのではなく、毎月継続して経営数字を管理しています。

営業利益率や粗利益率、商品別利益などを定期的に確認することで、利益率の低下やコストの増加に早く気付くことができます。数字をもとに改善策を実行し、その結果を検証するというサイクルが定着しています。

このような積み重ねによって利益率は少しずつ改善され、安定した経営につながります。営業利益率を高めるには、感覚ではなく数字に基づいて経営することが欠かせません。

 

営業利益率を改善・維持する方法

営業利益率を改善・維持する方法

営業利益率を改善するためには、単に売上を増やすだけでは十分ではありません。利益率の低い商品やサービスを見直したり、適正な価格で販売したりすることが重要です。

ここでは、営業利益率を改善・維持するために実践したい5つの方法を紹介します。

 

利益率の低い商品・サービスを見直す

営業利益率を改善するためには、まず利益率の低い商品やサービスを見直すことが大切です。

売上が多い商品でも、原価や人件費、販売経費がかかりすぎていれば、十分な利益は残りません。そのため、商品ごとの利益率を分析し、採算の悪い商品は価格を見直したり、販売方法を改善したりする必要があります。場合によっては、販売を終了するという判断も必要です。

利益率の低い商品を放置せず、定期的に見直すことで、会社全体の営業利益率を着実に改善できます。

 

商品単価を上げる

営業利益率を改善する方法として、商品やサービスの単価を上げることも効果的です。

ただし、単純に値上げをすると顧客離れにつながる可能性があります。そのため、品質やサービス内容を充実させるなど、価格に見合う付加価値を提供することが重要です。その他、オプション商品の提案や上位プランへの切り替えなど、お客様に納得して選んでもらえる工夫も有効です。

利益率を高めるには、「安く売る」のではなく、「価値に見合った価格で販売する」という考え方が欠かせません。

 

値引きを減らす

過度な値引きは、営業利益率を大きく下げる原因になります。

売上を確保するために安易な値引きを繰り返すと、利益が残りにくくなるだけでなく、「安く買える会社」というイメージが定着してしまうことも。その結果、通常価格では売れにくくなり、価格競争から抜け出せなくなる恐れがあります。

値引きを減らすためには、商品の品質やサービス、サポート体制などの価値をしっかり伝え、お客様に価格以上の魅力を感じてもらうことが重要です。

 

業務効率を改善する

営業利益率を高めるには、売上を増やすだけでなく、業務の無駄を減らすことも重要です。

例えば、手作業で行っている業務をシステム化したり、作業手順を見直したりすることで、人件費や時間を削減できます。業務効率が向上すれば、同じ人数でもより多くの仕事をこなせるようになり、生産性も向上。コストを抑えながら利益を増やせるため、営業利益率の改善につながります

日々の業務を見直し、小さな改善を積み重ねることが大切です。

 

経営数字を毎月確認する仕組みをつくる

営業利益率を改善・維持するためには、決算のときだけ数字を確認するのではなく、毎月経営数字を把握する仕組みをつくることが重要です。

売上や営業利益率、粗利益率などを継続的に確認することで、利益率の低下やコストの増加に早く気付くことができます。そして、改善策を実施した後も数字で効果を検証できるため、次の経営判断につなげやすくなります。

利益率を安定して高めるには、勘や経験だけに頼らず、数字に基づいて経営する習慣を身につけることが大切です。

 

営業利益率が高い会社が次に考えるべきこと

営業利益率が高い会社が次に考えるべきこと

営業利益率が高くなったからといって、その状態に満足してはいけません。利益は会社を成長させるための手段であり、目的ではないからです。

ここでは、営業利益率が高い会社が次の成長につなげるために取り組みたい5つのポイントを紹介します。

 

人材採用・人材育成へ投資する

会社が長く成長し続けるためには、人材への投資が欠かせません。

営業利益率が高く、利益に余裕があるのであれば、優秀な人材の採用や社員教育に積極的に投資することが大切です。研修制度の充実や資格取得支援、働きやすい職場環境の整備は、社員の成長だけでなく、会社全体の生産性向上にもつながります。

人材への投資は社員の定着率向上にも効果があります。利益を将来の成長につながる「人」へ投資することが、企業の競争力を高める大きなポイントです。

 

設備投資で生産性を上げる

営業利益率が高い会社は、利益を活用して設備投資を行うことも重要です。

古い設備を使い続けると、生産効率の低下や故障によるトラブルが発生しやすくなります。一方、新しい設備やシステムを導入すれば、作業時間の短縮や品質の向上、人件費の削減などにつながり、生産性を高めることができます。

設備投資は一時的に利益を減らすこともありますが、長期的には利益率の向上や競争力の強化につながるため、将来を見据えた重要な投資といえるでしょう。

 

新商品・新サービスを開発する

現在の利益率が高くても、既存の商品やサービスだけに頼り続けることはリスクがあります。

市場環境や顧客ニーズは常に変化しており、競合他社も新しい商品やサービスを次々と投入しています。そのため、営業利益率が高いうちに新商品や新サービスの開発へ投資することが大切です。

新たな収益源を育てておけば、既存事業の売上が落ち込んだ場合でも安定した経営を続けやすくなります。利益を未来への投資に回すことが、持続的な成長につながります

 

財務体質をさらに強化する

利益が出ているときは、会社の財務体質を強化する絶好の機会です。

例えば、借入金の返済を進めたり、十分な手元資金を確保したりすることで、景気悪化や売上減少といった不測の事態にも対応しやすくなります。また、自己資本が厚くなることで金融機関からの信用も高まり、将来必要になった際の資金調達もしやすくなるでしょう。

利益をすべて使い切るのではなく、会社の財務基盤を強化することも、安定経営には欠かせない重要な取り組みです。

 

中長期の経営計画に沿って利益を活用する

営業利益率が高い会社ほど、利益の使い道を場当たり的に決めるのではなく、中長期の経営計画に基づいて活用することが重要です。

例えば、「3年後に新工場を建設する」「5年後までに新規事業を立ち上げる」といった目標があれば、今の利益をどこへ投資すべきかが明確になります。計画がないままでは、利益を十分に活かせず、成長の機会を逃してしまうこともあります。

営業利益率を高めることがゴールではなく、その利益を計画的に活用し、会社の未来をつくることが経営者に求められる役割です。

 

まとめ|営業利益率は「高ければ良い」ではなく、利益の使い方が会社の未来を決める

まとめ|営業利益率は「高ければ良い」ではなく、利益の使い方が会社の未来を決める

営業利益率が高いことは、本業でしっかり利益を生み出せている証拠であり、経営上の大きな強みです。

しかし、高い利益率を維持することだけが目的になってしまうと、人材育成や設備投資、新商品開発など、将来の成長に必要な投資を後回しにしてしまう恐れがあります。大切なのは、営業利益率という数字だけを見るのではなく、その利益をどのように活用して会社を成長させるかという視点です。

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