「起業してみたいけど、自分にできるのかな?」
そう感じている人は少なくありません。
特別なスキルや大きな資金がなくても始められる仕事はありますし、今の時代は副業からステップアップする人も増えています。ただし、やみくもに挑戦すると「忙しいのに儲からない」「資金が続かない」といった壁に直面しやすいのも現実です。
大切なのは、自分に向いている職種を見極めることと、続けていくための仕組みを整えること。
本記事では、スキルがなくても始めやすい仕事や、少ない資金でリスクを抑えられる職種、将来性のある分野などを具体的に紹介。さらに、起業を成功させるために欠かせない「経営計画」の考え方も解説します。
あなたが安心して一歩を踏み出せるヒントをお届けしますので、最後までお読みいただけると幸いです。
今起業するなら何がいい?自分に向いている起業スタイルは?
起業と一口にいっても、業種や働き方はさまざまです。流行や需要のある分野を選ぶことも大切ですが、それ以上に重要なのは「自分に合ったスタイル」を見つけること。
なぜなら、続けられないビジネスは成功しにくく、逆に自分の強みや価値観に合った事業は長く安定して成長させやすいからです。
ここでは、今注目されている起業のスタイルをいくつか紹介します。
副業から始める「スモール起業」
初めての起業で大きな投資をするのは不安な方に人気なのが「スモール起業」です。
たとえば在宅でできるWebデザインやライティング、ネットショップの運営などは、パソコン1台あれば始められることも多く、初期費用が少ないのが大きな魅力です。副業としてスタートし、実際に収益が出てきてから本格的に独立する流れを選ぶ人も増えています。
小さく始めることで失敗してもダメージが少なく、リスクを抑えながら自分に合った事業かどうかを見極められる点がメリットです。
専門知識やスキルを活かす「フリーランス起業」
自分のスキルや経験をそのまま仕事にするのが「フリーランス起業」です。
代表的なのはITエンジニアやWebデザイナー、コンサルタントなどで、専門性が高いほど高単価の案件を獲得できる可能性があります。特にデジタル化が進む今は、企業もフリーランスの力を必要としており、活躍の場が広がっています。
フリーランス起業の魅力は、仕事の時間や内容を自分で選べる自由度の高さ。ただし安定収入を得るためには営業力や継続的なスキルアップも欠かせません。
店舗を持つ「実店舗ビジネス」
飲食店、美容室、学習塾など、実際に店舗を構えて人と直接関わる「実店舗ビジネス」も根強い人気があります。
特に「地元で愛されるお店」を目指す人は多く、地域に密着して長く続けられる可能性があります。もちろん開業には物件取得や内装、設備投資などの初期費用がかかり、スモール起業に比べるとリスクは大きめです。
しかし、実店舗ビジネスの強みは、お客様との関係を築きながら安定した売上を作れることです。オンライン予約やSNS集客を組み合わせれば、地域を超えてファンを増やせるチャンスも広がっています。
スキルなしでも始めやすい職種5選
「起業は特別なスキルや資格がないとできない」と思われがちですが、実は未経験からでも始めやすい仕事はたくさんあります。
ここでは、初心者でもチャレンジしやすい職種を5つ紹介します。
宅配・運送業
ネット通販の普及に伴い、宅配や運送業の需要は右肩上がりです。
特に軽貨物配送は比較的少ない資金で始められるため、個人事業主として独立する人が増えています。必要なのは車と体力、そして「確実に届ける」という責任感。専門的な資格や経験がなくても始められる点は初心者にとって大きな魅力です。
案件は大手物流会社やEC事業者から豊富にあり、コツコツ続ければ安定収入を目指せます。努力がそのまま成果に結びつきやすい仕事といえるでしょう。
家事代行・清掃サービス
共働き家庭や高齢化社会の進行により、家事や清掃を外注するニーズは急速に高まっています。
特別な資格は不要で、普段の掃除スキルや整理整頓の得意さを活かせる仕事です。利用者との信頼関係を築くことが重要で、丁寧な対応を心がければリピート依頼につながります。
依頼内容は掃除や洗濯、料理の手伝いなど幅広く、時間や曜日を調整しやすいため柔軟な働き方が可能。比較的参入しやすく、人の役に立ちながら収入を得られる点が魅力です。
フリマ・せどり
「フリマ・せどり」とは、安く仕入れた商品をフリマアプリやネットオークションで販売し、差額を利益にするビジネスです。
始めるのに必要なのはスマホと少額の資金だけ。未経験でも気軽に取り組めるのが特徴です。例えば、自宅に眠っている不用品を販売することからスタートすれば、仕入れ費用ゼロで体験できます。
慣れてきたら、ネット仕入れを活用して利益を拡大することも可能です。在庫管理や価格リサーチを工夫すれば、本格的な収益化も十分狙えます。ただし、古物を扱うときは警察への届け出が必要です。
Webライター
文章を書くことが得意、もしくは好きな方におすすめなのがWebライターです。
必要なものはパソコンとネット環境のみで、初期費用がほとんどかからないのが大きな魅力。クラウドソーシングサイトを利用すれば、未経験者でも案件を獲得しやすく、経験を積むことで自然と文章力やリサーチ力が向上します。
ライティングはジャンルが多岐にわたり、趣味や知識を活かせる案件も豊富。副業から始めて実績を積み、独立につなげる人も増えています。
ライブ配信
スマホ1台あれば挑戦できるのがライブ配信。ゲーム実況や雑談、歌や趣味の披露など、自分の得意を発信してファンを増やし、投げ銭や広告収入で稼ぐスタイルです。
特別な資格やスキルは不要で、視聴者とのコミュニケーション力があれば誰でも始められます。配信アプリの普及により参入障壁が低く、隙間時間での活動も可能です。
人気が出れば大きな収入源になる一方、ファン作りには継続性や工夫が欠かせません。楽しみながら挑戦できる新しい働き方です。
初期投資が少なく、低リスクで始められる職種5選
起業で大きな不安のひとつが「初期費用」。設備や店舗を構える必要がある事業はリスクが高くなりがちですが、近年はパソコンやスマホがあれば始められるビジネスも増えています。
ここでは、少ない資金でスタートできる職種を5つ紹介します。
営業代行
営業が得意な方にとってチャンスが大きいのが営業代行です。
企業の商品やサービスを代わりに提案し、契約につなげるのが役割で、必要なのはパソコンと電話、そして人と信頼関係を築く力です。成果報酬型の案件も多いため、初期投資を抑えながら始められるのが魅力になります。
営業経験がある人はもちろん、人と話すことが好きな方にも向いています。最初は小さな案件から挑戦し、実績を積めば継続的に依頼を受けやすくなり、安定収入を目指せる職種です。
Webデザイナー
Webデザイナーは、ホームページやバナー、LP(ランディングページ)などを制作する仕事です。
専用ソフトは高額なものもありますが、無料や低価格のツールを使って学びながら始めることも可能。副業から挑戦しやすく、クラウドソーシングサイトを通じて案件を獲得できるのがメリットです。
デザインスキルは需要が高く、一度身につければ長く活かせる資産になります。案件を重ねることでポートフォリオが充実し、報酬単価アップにもつながります。
オンラインスクール運営
自分の知識や経験を「学びたい人」に提供できるのがオンラインスクールです。
英語やプログラミング、資格試験対策、趣味の講座などジャンルは幅広く、ニッチな分野でも需要があります。学習プラットフォームを活用すれば、自分で大きなシステムを作らなくても講座を配信可能。初期投資をほとんどかけずにスタートできるのが特徴です。
動画教材や資料を作れば半自動的に収益を得られる仕組みにもできるため、安定した収入源を作りたい人に適しています。
動画編集
動画編集は、YouTubeやSNSの普及により需要が急速に高まっている分野です。
必要なのはパソコンと編集ソフトだけで、最初は無料ソフトから学び始められます。短い動画から手掛けることで経験を積み、スキルが上がれば企業案件や広告動画など高単価の依頼につなげることが可能です。
副業から始めて本業に発展させる人も増えており、今後も成長が期待できる職種です。継続して学びながら、実績を積み上げることで収益化を目指せます。
ネットショップ
ネットショップは、自分の作品や仕入れた商品をオンラインで販売するビジネスです。
BASEやShopifyといったサービスを使えば、専門知識がなくても低コストでショップを開設できます。特にハンドメイド作品やオリジナルグッズは個人でも挑戦しやすく、SNSを活用した集客でファンを増やすことも可能です。
在庫を持たない「受注生産型」や「ドロップシッピング」を活用すればリスクをさらに軽減できます。小さく始めて拡大できる点が魅力の職種です。
※ドロップシッピング・・・在庫を持たずに商品を販売するECサイトのビジネスモデル
将来性・成長市場で選ぶ!おすすめ職種5選
せっかく起業するなら、将来性のある分野を選びたいと思う人も多いはずです。
ここでは、成長市場として注目される職種を5つ紹介します。
ITエンジニア・プログラマー
デジタル社会の中心を担うITエンジニアやプログラマーは、今後も需要が伸び続ける分野です。
システム開発、アプリ制作、Webサービス構築など活躍の場は幅広く、AIやIoTの発展に伴い新たなビジネスチャンスも広がっています。
専門知識の習得は必要ですが、学習環境は豊富で独学でもスキルを身につけやすいのが特徴。高単価案件も多く、安定した収益を得やすい職種です。
Webマーケター
ネット広告やSNSを活用し、商品やサービスを広めるのがWebマーケターの役割です。
消費者の行動がオンライン中心となる中で、需要はますます拡大しています。特別な資格は不要で、データ分析や広告運用、SNS発信などを学びながら実務経験を積むことが可能。
副業から始めやすく、自分のスキルを武器に独立できる点が魅力です。成果が数字に表れるため、実力次第で収入を大きく伸ばせる可能性もあります。
介護・福祉分野
少子高齢化が進む日本では、介護・福祉分野の需要は今後も高まり続けます。
デイサービスや訪問介護といった現場支援はもちろん、福祉用具の販売や介護予防サービスなど新しいビジネスの形も登場しています。資格や経験があれば有利ですが、未経験から参入できるサポート業務も多数あります。
社会貢献度が高く、地域密着で長く続けられる点が大きな魅力です。安定した成長市場であり、将来性のある起業分野といえます。
不動産・賃貸事業
不動産は景気に左右されやすい側面もありますが、賃貸ニーズは常に存在するため安定感があります。
シェアハウスや民泊など新しいスタイルも登場し、アイデア次第で差別化が可能。物件を所有しなくても、管理や仲介を行う形で起業する方法もあります。
初期投資が大きい場合もありますが、長期的な資産形成につながるのが魅力です。市場の変化を捉えれば、継続して成長を見込めるビジネスモデルです。
コンサルタント
経営、IT、人事、財務など、自分の経験や専門知識を活かしてアドバイスを提供するのがコンサルタントです。
企業の課題解決をサポートするための需要は高く、特に中小企業向けのニーズは今後も拡大すると予想されます。
パソコンと知識があれば始められるため初期費用は少なく済み、実績を積むことで高額報酬を得られるのも大きなメリット。経験をそのまま武器にできる職種であり、将来性の高い起業分野です。
起業を成功させるには「経営計画」が必須
起業に踏み出すとき、多くの人は「アイデアさえあれば」「やる気があれば大丈夫」と考えがちです。
もちろん情熱は大切ですが、それだけでは長く続くビジネスにはなりません。実際には資金繰りや集客、人材確保といった課題に必ず直面し、そこでつまずく人も少なくないのです。だからこそ、夢を形にして事業を安定させるためには、経営計画という「地図」が必要になります。
ここでは、なぜ計画がなければ起業がうまくいかないのか? 起業家が直面する現実と、計画の重要性を詳しく見ていきましょう。
なぜ「やりたいこと」だけではうまくいかないのか?
「好きなことを仕事にしたい」という思いは起業の大きな原動力になります。しかし、やりたいことだけに意識を向けてしまうと、事業は思うように成長しません。
なぜなら、収益を生むためには「お客様のニーズ」「競合との差別化」「どのように売上を継続的に確保するか」といった視点が欠かせないからです。
情熱やアイデアは大切ですが、それだけでは資金繰りが続かず、短期間で行き詰まってしまうケースも少なくありません。自分のやりたいことを実現するためにも、数字や戦略を組み合わせた「現実的な経営計画」を作ることが重要なのです。
起業後すぐにぶつかる「資金・集客・人材」問題
多くの起業家が直面するのが、資金・集客・人材の3つの壁です。
まず資金面では、思った以上に運転資金が早く尽きてしまうことがよくあります。集客に関しても「商品やサービスが良ければ自然に売れる」という思い込みは危険で、広告やSNS運用など計画的な取り組みが必要です。そして人材面では、仲間やスタッフをどう集めるか、どう育成するかが大きな課題となります。
「資金・集客・人材」の問題は避けて通れませんが、事前に資金繰り表やマーケティング計画、人材戦略を用意しておけば慌てる必要はありません。準備の有無が、事業を続けられるかどうかを大きく左右するのです。
計画がなければ、売上も利益も安定しない
「なんとなくうまくいくだろう」という感覚だけで起業を進めてしまうと、売上が不安定になりやすく、利益も思うように残りません。
たとえば、一時的に売上が伸びても、在庫や経費を管理できなければ赤字になる可能性があります。経営計画を立てていれば、月ごとの売上目標や費用の見直しポイントを明確にでき、資金ショートを防ぐことができます。さらに、計画に基づいて実績を振り返れば、改善点も見つけやすくなります。
経営は長期戦だからこそ、行き当たりばったりではなく「数字に基づいた判断」を積み重ねることが、事業を安定させ成功へ導く一番の近道になるのです。
【初心者向け】起業前に立てておくべき経営計画とは?
起業を考えるとき、多くの人は「とりあえず始めてみよう」と勢いで動きたくなるものです。しかし、ビジネスは長期的に続けていくもの。最初の段階でしっかりと経営計画を立てておかなければ、思わぬ資金不足や集客の壁に直面してしまいます。
ここでは、具体的にどんな項目を計画に盛り込めばよいのかを順に見ていきましょう。
ビジネスの目的
起業で最初に考えるべきなのは「何のためにこの事業をやるのか」という目的です。
単にお金を稼ぐだけでは長続きせず、途中で迷いや壁にぶつかりやすくなります。「お客様にどんな価値を提供したいのか」「社会にどう貢献できるのか」という視点を持つことで、ぶれない経営の軸を作ることができます。
ビジネスの目的が明確になれば、後の戦略や判断も一貫性を持たせやすくなります。
ターゲットの明確化
ビジネスの成功は「誰に届けるのか」を定めることから始まります。
ターゲットが曖昧だと、商品やサービスの魅力も伝わりにくくなり、集客で苦戦してしまいます。年齢や性別、職業、ライフスタイル、抱えている悩みなどをできるだけ具体的に設定することが大切です。
ターゲットを明確にすることで広告や販促の方法も選びやすくなり、効率的に顧客へアプローチできるようになります。
収支の見通し(売上・経費・利益)
起業を続けるうえで欠かせないのが収支の見通しです。
どのくらいの売上が見込めるのか、必要経費はいくらか、そして最終的にどのくらい利益が残るのかをあらかじめ試算しておきましょう。毎月・毎年の収支をシミュレーションしておけば、資金不足に陥るリスクを減らせます。
また、予想と実績を比べながら修正を重ねることで、事業を安定的に成長させることができます。
5年後の数値目標と成長戦略
短期的な売上だけでなく、中長期的な目標を数字で描くことも重要です。
たとえば「5年後に売上1億円」「顧客数500人」「店舗を2つに拡大」など、具体的な数値で設定します。そのうえで、どうすれば目標を達成できるのか、商品拡充や営業手法の強化など成長戦略を考えましょう。
長期的なビジョンを持つことで、経営判断に一貫性が生まれ、継続的な成長につながります。
資金調達や融資のためにも重要
経営計画は自分の指針になるだけでなく、資金調達や融資の場面でも欠かせない資料になります。
銀行や投資家は「この事業は本当に成長できるのか」を計画書で判断します。売上や利益の見通し、成長のシナリオを数字で示せれば、信用度は大きく高まります。
資金繰りを安定させるためにも、しっかりとした経営計画を用意しておくことが、起業家にとって大きな武器になるのです。
まとめ|今起業するなら「向いている職種」と「計画性」の両方が大切!
起業を考えるときに大切なのは、「自分に向いているスタイルを選ぶこと」と「続けていくための仕組みを作ること」です。
好きなことを仕事にするのは大きなモチベーションになりますが、それだけでは長く続きません。資金、集客、人材といった課題を乗り越えるには、数字と戦略に基づいた経営計画が欠かせないのです。
まずは自分に合う職種やビジネスモデルを見極め、そのうえで計画を立てることが、起業を成功へと導く第一歩になります。もし「何から始めればいいのか」と迷うなら、経営計画を立ててみることから取り組んでみましょう。
株式会社マストップは、将来こうなりたいと目指す姿に向かっている経営者と一緒に伴走していくMAS監査事業をおこなっています。
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