経営戦略は将来の方向性を決定し、組織全体が一丸となってその目標を達成するためのロードマップになります。
そのような経営戦略は、なぜ必要なのでしょうか?
本記事では、経営戦略はなぜ必要なのか?どんな種類があるのか?経営戦略の立て方について簡単に説明いたします。
経営戦略はビジネスをしていくにあたり、なくてはならないものです。内容をよく知って、是非活用しましょう!
経営戦略はなぜ必要?
冒頭でもお伝えしたように、経営戦略は将来の方向性を決定し、組織全体が一丸となってその目標を達成するためのロードマップになります。
具体的には、組織が達成したい目標や長期的なビジョンに向けて、どのようにリソースを配置し、どの方針を採用するかについて考えていきます。
そのような経営戦略は、なぜ必要だと言われるのでしょうか?
その理由は、市場は日々変化し、新たな競合他社が登場するからです。経営戦略を持たない組織は、環境への適応力を失い、競争に負けてしまう可能性が高まります。
経営戦略を策定することで、組織は長期的な成功に向けた道筋を明確にし、これからの未来に対処する力を身につけるのです。
経営戦略があると良い5つの理由
日々変化する市場の中で、競合他社に負けない組織作りをするために、経営戦略はなくてはならないものです。
ここでは、経営戦略があると良い理由をさらにあげていきましょう。
理由①組織の成長を促進するから
経営戦略は、組織の成長を促進します。
戦略的計画を作ることで、新しい市場への進出や既存市場でのシェア拡大などの成長に向けた具体的な目標を設定し、それに向けて行動できるようになります。
経営戦略は、収益の増加や新たな顧客の獲得を可能にし、組織の繁栄につながります。
理由②リソースを効率的に活用するから
経営戦略は、組織のリソース(資産、資金、人材など)を効率的に活用する手助けをします。
戦略的計画は、どのプロジェクトや活動にリソースを割り当てるべきかを明確に示し、無駄な浪費を防ぎます。
これにより、組織は予算を最適化し、成果を最大化できます。また、リソースの有効活用は競争力向上につながり、市場での地位を強化します。
理由③リスクを最小限に抑えるから
経営戦略は、市場変動や不確実性に対処し、リスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
経営戦略を持つことで、予期せぬ問題や困難に対処するための枠組みが整い、組織はより安定した成果を出しやすくなります。
理由④組織の方向性を統一するから
経営戦略は、組織の方向性を統一します。
組織全体が戦略に従って行動することで、協力と協調が強化され、組織の成果が向上します。
理由⑤競合他社に対する優位性を確立するから
経営戦略は、競合他社に対する優位性を確立することができます。
戦略的な差別化や市場ニーズへの適応力を高めることで、競争力を維持し、市場での成功が期待できます。
経営戦略の種類7選
ここまで、経営戦略がなぜ必要かおわかりいただけましたでしょうか?
しかしながら、経営戦略にはいくつかの異なる種類があり、組織の目標や状況に応じて選択できます。
経営戦略の主要な種類を7つ、簡単に紹介いたします。
①成長戦略
成長戦略は、組織が市場での存在感を強化し、売上や市場シェアを拡大することを目指す戦略です。
一般的な成長戦略には、市場開拓、新商品の導入、新規顧客の獲得、事業領域の拡大などが含まれます。
この戦略は組織が成長段階にある場合や市場の新たな機会を追求する際に役立ちます。
②ダイバーシフィケーション戦略
ダイバーシフィケーション戦略は、組織が新しい製品やサービス、市場に進出し、リスクを分散するための戦略です。
これは既存の事業分野とは異なる領域に進出することで、新たな市場での成功が望めます。
ダイバーシフィケーションは、市場の変動に強くなり、収益源を複数持つことに役立ちます。
③コストリーダーシップ戦略
コストリーダーシップ戦略は、組織が競合他社よりも低コストで製品やサービスを提供することを目指す戦略です。
基本、コストリーダーシップ戦略は効率性と生産性の向上に焦点を当てます。
これにより、組織は価格競争で優位性を獲得し、広い市場での成功が望めます。
④差別化戦略
差別化戦略は、組織が独自性や付加価値をつけた製品やサービスを市場に提供し、高い価格で販売する戦略です。
顧客に独自性や付加価値を提供することで、価格競争から逃れ、根強い顧客(ファン)を築くことができます。
⑤集中戦略
集中戦略は、組織が特定の市場セグメントや製品ラインに焦点を当て、そこで競争力を発揮しようとする戦略です。
集中戦略は、組織が特定の専門知識やリソースを持つ場合に効果的であり、競合他社との差別化が望めます。
⑥合併・買収戦略
合併・買収戦略は、組織が他の企業を買収したり合併したりして成長しようとする戦略です。
これにより、市場でのシェアを拡大し、新たなビジネス機会を獲得することができます。
⑦イノベーション戦略
イノベーション戦略は、組織が新しいアイデアや技術を活用して競合他社から差別化し、市場でリーダーシップを確立しようとする戦略です。
イノベーションに焦点を当てることで、新たな市場を開拓し、競争優位性を獲得します。
経営戦略の立て方
経営戦略を立てるプロセスは、組織の成功に向けての重要な一歩です。
ここでは、経営戦略の立て方を簡単に説明します。
【ステップ1】ミッションとビジョンの設定
最初に、組織のミッションとビジョンを明確に設定しましょう。
ミッションは組織の存在意義や目的を表現し、ビジョンは未来の理想を示します。
これらを明確にすることは、戦略の方向性を定める基本です。
【ステップ2】目標の明確化
次に、具体的な戦略的目標を設定します。
これらの目標は、ミッションとビジョンに合致し、SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)原則に従ったものがよいでしょう。
明確な目標は、全てのメンバーが共通の方向を持つのに役立ちます。
【SMART原則とは・・・】
SMART原則は、目標設定やプロジェクト計画において目標を具体的で実現可能なものにするために有効です。SMART原則を適用することで、効果的な目標設定と実行が可能になり、結果の評価や進捗の追跡がスムーズに行えます。
Specific(具体的)
目標は具体的であることがよいでしょう。何を達成し、どのように達成するかを明確に記述します。一般的な目標よりも具体的な目標は、達成度を測定しやすく、方向性を明確に示します。
Measurable(計測可能)
目標は数値または定量的な方法で評価できるようにしましょう。具体的な数値や指標を設定して、進捗を追跡し、達成度を評価できるようにします。
Achievable(達成可能)
目標は現実的で達成可能なものがよいでしょう。目標があまりにも野心的で実現が難しい場合、モチベーションを損なう可能性があるため、現実的な目標を設定することが重要です。
Relevant(関連性がある)
目標は組織のミッションやビジョンと関連があるようにしましょう。目標が組織の全体戦略と一致し、ビジョンに貢献することが大切です。関連性がある目標は、組織の方向性に合致しやすく、成果を最大化しやすいです。
Time-bound(時間に縛られた)
目標は期限を設定する必要があります。期限を持つことで、目標達成のスケジュールが明確になり、タスクの優先順位付けや計画が容易になります。時間に縛られた目標は、行動を促し、進捗をモニタリングしやすくします。
【ステップ3】環境分析
経営戦略を立てる際に、外部環境と内部状況を評価する環境分析が欠かせません。
外部環境分析では市場トレンド、競合他社、規制環境などを調査し、内部分析では組織の強みや弱み、リソース、組織文化などを評価します。
【ステップ4】戦略の策定
戦略の策定では、ミッション、ビジョン、目標、環境分析から導かれた情報を元に、具体的なアクションプランを策定します。
このプロセスで、どの市場で競争するか、どの顧客層をターゲットにするか、リソースの配置を計画します。
【ステップ5】実行とモニタリング
戦略を策定したら、その実行とモニタリングが大切です。
経営戦略はただ立てるだけではなく、実践し、成果を測定し、調整する必要があります。
組織内でコミュニケーションを円滑にし、進捗を確認し、目標に向けて進展させるための仕組みを確立しましょう。
経営戦略の立て方は、組織の成功に向けて方向を示す鍵です。これらのステップを行うことで、組織はビジョンを実現し、競争力を高めるための計画を立てることができます。
まとめ|経営戦略はなぜ必要?組織を成功に導く第一歩を踏み出そう!
ここまで、なぜ経営戦略が必要か、戦略の種類、そして戦略の立て方まで、簡単にお伝えしました。
経営戦略の必要性を感じていただけましたでしょうか?
経営戦略を策定することで、組織が成功へ向かう第一歩を踏み出すことになります。ビジネス成功にむけて力強く進むために、ぜひ経営戦略を立ててみてください。
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