「営業利益がマイナスになってしまった。このままで会社は大丈夫なのだろうか?」と、不安を感じていませんか?
営業利益がマイナスでも、すぐに倒産するわけではありません。しかし、本業で利益を生み出せない状態が続けば、資金繰りや金融機関からの評価、将来の設備投資などにも影響する可能性があります。
本記事では、営業利益がマイナスになる原因から、改善するときの注意点、黒字化に向けた具体的なステップまで解説します。
営業利益がマイナスはやばい?「すぐ倒産」ではないが放置は危険

営業利益がマイナスになると、「このまま赤字が続いたら会社は倒産してしまうのではないか」と不安になるかもしれません。
営業利益がマイナスだからといって、すぐに会社が倒産するわけではありません。まずは営業利益の基本から確認していきましょう。
営業利益とは「本業で稼ぐ力」を示す利益
営業利益とは、会社が本業によってどれだけ利益を生み出したのかを示す利益です。売上高から、商品を仕入れるための費用や製造にかかる原価、さらに従業員の給与や事務所の賃料など、本業を行うために必要な費用を差し引いて計算します。
例えば、商品を販売して1,000万円の売上があっても、仕入れ・人件費・家賃などに950万円かかれば、営業利益は50万円です。
つまり、営業利益を見ることで「売上はあるけれど、実際に本業で利益を生み出せているのか」を確認できます。会社の収益力を判断するうえで、非常に重要な指標の一つです。
営業利益がマイナス=本業で赤字が出ている状態
営業利益がマイナスということは、本業で得た売上よりも、本業を維持するためにかかった費用のほうが大きい状態です。つまり、商品やサービスを販売して売上を上げても、それ以上にコストがかかり、本業だけでは利益を生み出せていません。
例えば、年間の売上高が1,000万円あっても、仕入れ・人件費・家賃などに1,100万円かかれば、営業利益はマイナス100万円になります。
売上があるから安心とは限らず、「売上からどれだけ利益が残っているのか」を確認することが大切です。営業利益がマイナスなら、まず本業の収益構造を見直す必要があります。
1期だけの赤字と赤字が続く状態では危険度が違う
営業利益がマイナスになったからといって、すぐに倒産するわけではありません。一時的な売上減少や設備投資などによって、1期だけ営業利益がマイナスになるケースもあります。この場合、翌期以降に利益を回復できる見込みがあるかを確認することが重要です。
一方で、営業利益のマイナスが何期も続いている場合は注意が必要です。本業で利益を生み出せない状態が続けば、手元資金が減少し、資金繰りにも影響する可能性があります。
大切なのは、赤字になった事実だけを見るのではなく、「なぜ赤字になったのか」「いつまでに改善できるのか」を確認することです。
営業利益マイナスが「やばい」と言われる5つの理由

営業利益がマイナスになっても、すぐに会社が倒産するわけではありません。しかし、本業で利益を生み出せない状態が続けば、経営にさまざまな影響が出てきます。
ここでは、営業利益マイナスが「やばい」と言われる5つの理由を見ていきましょう。
本業で利益を生み出せない状態が続くから
営業利益がマイナスということは、売上を上げても、本業にかかる費用をまかなえていない状態です。一時的な赤字であれば問題が限定的な場合もありますが、この状態が続けば、本業そのものの収益力が低下してしまう可能性があります。
売上が減っているのか、仕入価格が上がっているのか、人件費などの固定費が大きいのかによって、改善方法は異なります。原因を確認せずに放置すると、赤字がさらに膨らむこともあります。まずは「なぜ利益が出ないのか」を把握することが重要です。
手元資金が減り、資金繰りが苦しくなるから
営業利益がマイナスの状態が続くと、本業で利益を生み出せないため、会社に残る資金にも影響します。利益が出ない状態で仕入代金・給与・家賃・税金などの支払いが続けば、手元資金が徐々に減っていく可能性があります。
会社は利益だけでなく、実際に支払いに使える現金がなければ事業を続けられません。営業利益のマイナスが続いている場合は、損益だけを見るのではなく、資金繰りも確認することが大切です。
金融機関からの評価に影響する可能性があるから
営業利益のマイナスが続くと、金融機関から見た会社の収益力に影響する可能性があります。金融機関は融資を行う際、これまでの業績だけでなく、今後きちんと返済できるだけの利益やキャッシュを生み出せるかを確認します。
赤字が続いている会社は、追加融資を受ける際などに慎重な判断をされる場合があります。ただし、営業利益が一時的にマイナスだからといって、必ず融資を受けられなくなるわけではありません。重要なのは、赤字の原因と改善の見通しを説明できることです。
設備投資や人材投資が難しくなるから
営業利益がマイナスの状態では、将来に向けた設備投資や人材への投資にも慎重にならざるを得ません。本来、会社が成長するためには、新しい設備を導入したり、人材を採用・育成したりするための資金が必要です。
しかし、本業で利益を生み出せない状態が続くと、投資に回せる資金を確保しにくくなります。投資を控えることで、設備の老朽化や人材不足など、新たな問題につながる可能性もあります。利益を確保することは、現在の経営だけでなく、将来への投資にも関係しているのです。
赤字が長期化すると倒産リスクが高まるから
営業利益がマイナスだからといって、すぐに倒産するわけではありません。しかし、赤字が何期も続き、本業で利益を生み出せない状態が長期化すると、倒産リスクは高まります。
特に、赤字によって手元資金が減少し、借入金に頼る状態が続けば、資金繰りが厳しくなる可能性があります。会社を存続させるためには、赤字を一時的なものとして終わらせ、利益を生み出せる状態に戻すことが重要です。「まだ資金があるから大丈夫」と考えず、早い段階から原因を特定して改善に取り組みましょう。
なぜ営業利益がマイナスになるのか?主な5つの原因

営業利益がマイナスになる原因は、単純に「売上が少ないから」とは限りません。売上が減少している場合もあれば、仕入価格や人件費などのコストが増えている場合もあります。
ここでは、営業利益がマイナスになる主な5つの原因を見ていきましょう。
売上高が減少している
営業利益がマイナスになる大きな原因の一つが、売上高の減少です。顧客数が減ったり、商品の販売数が落ちたりすると、売上が減少します。一方で、人件費や家賃などの固定費は、売上が減ったからといってすぐに減らせるとは限りません。
売上が大きく減少すると、これまで利益が出ていた会社でも赤字になる可能性があります。売上の減少が一時的なものなのか、今後も続くのかを見極めることが重要です。
原材料費・仕入価格が上昇している
原材料費や仕入価格の上昇も、営業利益を圧迫する原因です。これまでと同じ価格で商品やサービスを提供していても、仕入れにかかる費用が増えれば、売上から残る利益は少なくなります。
例えば、これまで100万円で仕入れていた商品が120万円になったとしたら、販売価格を変えなければ、その分だけ利益が減ってしまいます。仕入価格の上昇が続いた場合は、仕入先や購入条件の見直しだけでなく、販売価格が適正かどうかも確認する必要があります。
人件費などの固定費が増えている
人件費・家賃・リース料などの固定費が増えることも、営業利益がマイナスになる原因です。固定費は売上が少ないときでも一定額が発生するため、売上に対して固定費が大きくなりすぎると、利益を圧迫します。
例えば、事業拡大のために人員を増やしたものの、期待したほど売上が増えなければ、人件費だけが増えてしまうことがあります。固定費を見直す際は、単純に削減するのではなく、売上や利益に対して適正な水準になっているかを確認することが大切です。
値引きによって利益率が低下している
販売価格の値引きが多いことも、営業利益がマイナスになる原因の一つです。値引きをすれば商品やサービスが売れやすくなる一方で、1件あたりに残る利益は少なくなります。売上を確保するために値引きを続けた結果、売上は増えているのに利益が残らないケースもあります。
特に「とりあえず値引きする」という習慣がある会社は注意が必要です。値引き後の価格でも十分な利益を確保できているのかを確認し、必要に応じて値引きの基準や価格設定を見直すことが重要です。
利益率の低い商品・サービスに依存している
売上の多くを利益率の低い商品やサービスに頼っている場合も、営業利益がマイナスになることがあります。売上高だけを見ると順調に見えても、実際にはコストが多くかかり、ほとんど利益が残っていないケースがあるためです。
例えば、売上は大きいものの、仕入れや人手が多く必要な商品ばかりを販売していれば、会社全体の利益は増えにくくなります。商品やサービスごとの利益率を確認し、利益を生みやすいものに経営資源を集中することが大切です。
営業利益マイナスから脱却する5つの改善策

営業利益がマイナスになったとき、「とにかく経費を削ればいい」と考えるのは注意が必要です。コストを削るだけでは、売上やサービスの品質まで低下し、かえって利益を減らしてしまうことがあります。
ここでは、営業利益を改善するために取り組みたい5つの方法を紹介します。
利益構造を見える化して原因を特定する
営業利益を改善するためには、まず「なぜ利益がマイナスになっているのか」を数字で確認することが重要です。売上が減っているのか、仕入価格が上がっているのか、人件費などの固定費が増えているのかによって、取るべき対策は変わります。
売上高・売上原価・固定費などを確認し、どの項目が利益を圧迫しているのかを見える化しましょう。原因が分からないまま経費を削るのではなく、数字をもとに改善することが黒字化への第一歩です。
不要な固定費・経費を見直す
営業利益を改善する方法の一つが、固定費や経費の見直しです。家賃・通信費・リース料・保険料・使用していないサブスクなど、長期間見直していない支出がないか確認してみましょう。
ただし、すべての経費を一律に削ればよいわけではありません。営業活動や顧客サービスなど、売上や利益につながっている支出まで削ると、将来的な売上減少につながる可能性があります。「必要か不要か」だけでなく、「利益につながっているか」という視点で見直すことが大切です。
赤字の商品・顧客・取引条件を見直す
売上がある商品や顧客でも、実際にはほとんど利益が残っていない、あるいは赤字になっているケースがあります。そのため、会社全体の売上だけを見るのではなく、商品・サービスや顧客ごとの採算を確認することが重要です。
対応に多くの時間がかかる顧客や、値引きが多い取引では、売上に対してコストが大きくなっている可能性があります。採算を見える化したうえで、価格や取引条件を見直し、利益を生み出せる取引に改善していきましょう。
値上げ・価格設定を見直して利益率を改善する
原材料費・仕入価格・人件費などが上昇しているにもかかわらず、販売価格を変えていなければ、利益は少なくなってしまいます。営業利益を改善するには、現在の価格がコストに見合っているのかを見直すことも重要です。
値上げに抵抗を感じる経営者もいるかもしれませんが、適正な利益を確保することは事業を継続するためにも必要です。単純に価格を上げるだけでなく、自社の商品やサービスの価値を伝えながら、適正な価格を設定することを検討しましょう。
「売上」ではなく「利益の出る売上」に集中する
営業利益を改善するときは、売上高だけを追いかけないことも重要です。売上が増えていても、利益率の低い商品やサービスばかりでは、会社に利益が残らない場合があります。
利益率の高い商品・サービスに営業活動を集中したり、採算の合わない商品を見直したりすることで、売上を大きく増やさなくても利益を改善できる可能性があります。「いくら売ったか」だけでなく、「売上からいくら利益が残ったか」という視点を持ち、利益の出る売上に経営資源を集中させることが大切です。
営業利益を改善するときにやってはいけないこと

営業利益がマイナスになると、「何とかして費用を減らし、利益を出さなければ」と考える経営者も多いでしょう。しかし、削減することだけを優先すると、売上や会社の成長に必要な部分まで失ってしまう可能性があります。
ここでは、営業利益を改善するときに注意したい5つのポイントを紹介します。
売上につながる経費まで一律に削減する
営業利益を改善するために、経費を削減することは有効な方法の一つです。しかし、すべての経費を一律に削ればよいわけではありません。例えば、営業活動・広告・人材育成など、将来の売上や利益につながる支出まで削ってしまうと、かえって業績が悪化する可能性があります。
大切なのは、金額が大きいから削るのではなく、その経費が売上や利益にどのようにつながっているかを確認することです。不要な支出と必要な投資を分けて考えましょう。
人件費だけを削って解決しようとする
人件費は会社の大きなコストであるため、営業利益がマイナスになると、まず人件費を削ろうと考える場合があります。しかし、人員を減らすだけでは業務量が変わらず、残った社員の負担が増えてしまう可能性があります。
その結果、業務の効率が下がったり、サービスの品質が低下したりすれば、売上減少につながることも。人件費を見直す場合は、単純な人員削減ではなく、業務の効率化やムダな作業の削減と合わせて考えることが重要です。
原因を確認せず新規事業や商品に手を広げる
営業利益がマイナスになったとき、「新しい商品を売れば利益を増やせる」「新規事業を始めれば会社を立て直せる」と考えることもあるでしょう。しかし、現在の赤字原因を確認しないまま新しいことを始めるのは注意が必要です。
既存事業の問題を抱えたまま新規事業に取り組めば、人員や資金が分散し、さらに経営が複雑になる可能性があります。まずは現在の事業で何が利益を圧迫しているのかを確認し、必要な改善を行うことを優先しましょう。
「売上さえ増えれば黒字になる」と考える
営業利益を改善するには売上を増やすことも重要ですが、「売上さえ増えれば黒字になる」と考えるのは危険です。利益率の低い商品やサービスを大量に販売しても、仕入れや人件費などのコストが増えれば、利益がほとんど残らないことがあります。
例えば、値引きをして売上を増やしても、1件あたりの利益が小さければ営業利益の改善にはつながりません。売上高だけを見るのではなく、どの商品や顧客からどれだけ利益が生まれているのかを確認し、「利益の出る売上」を増やすことが大切です。
資金が残っているからと赤字を放置する
営業利益がマイナスでも、手元に資金が残っていると「まだ大丈夫」と考えてしまうことがあります。しかし、資金が残っているからといって、本業の赤字を放置してよいわけではありません。
赤字が続けば、少しずつ手元資金が減少し、やがて資金繰りが厳しくなる可能性があります。赤字の原因が解消されなければ、将来的にさらに大きな問題になることもあります。資金に余裕がある段階だからこそ、原因を確認し、早めに改善へ取り組むことが重要です。
営業利益マイナスから黒字化するための5ステップ

営業利益がマイナスになった場合、やみくもに経費を削ったり、売上を増やしたりするのではなく、順番を決めて改善に取り組むことが大切です。
ここでは、営業利益を改善し、黒字化を目指すための5つのステップを紹介します。
STEP①営業利益がマイナスになった原因を数字で確認する
黒字化に向けて最初に行いたいのが、営業利益がマイナスになった原因を数字で確認することです。「売上が足りない」「経費が多い」と感覚だけで判断すると、本当の原因を見落としてしまう可能性があります。
売上高・売上原価・人件費・家賃などの固定費を確認し、前年や計画と比べてどこが変化しているのかを調べましょう。数字を細かく確認することで、利益を圧迫している原因が見えてきます。まず現状を正しく把握することが改善のスタートです。
STEP②利益を圧迫している項目に優先順位をつける
営業利益がマイナスになった原因を把握したら、次に取り組むべきなのが改善項目の優先順位付けです。すべての問題を一度に解決しようとすると、社員の負担が大きくなり、どの取り組みが効果を上げたのかも分かりにくくなります。
金額の大きい固定費を見直すのか、利益率の低い商品の価格を変更するのかなど、利益への影響が大きいものから考えます。「簡単にできること」だけではなく、「利益をどれだけ改善できるか」という視点で優先順位を決めることが重要です。
STEP③効果の大きい改善から実行する
優先順位を決めたら、実際に改善策を実行します。ここで重要なのは、思いついた対策をすべて行うのではなく、利益への効果が大きいものから取り組むことです。
例えば、不要な固定費の削減・仕入条件の見直し・採算の合わない商品の価格変更など、自社の状況に合わせて取り組みます。経費を削る場合も、売上につながる支出まで一律に削ってはいけません。限られた時間や人員を、利益改善につながる取り組みに集中させることが大切です。
STEP④毎月の利益を確認して改善効果を検証する
改善策を実行したら、それで終わりにせず、毎月の数字を確認して効果を検証しましょう。実際に取り組んだ結果、営業利益がどの程度改善したのかを確認することで、効果のあった施策と見直しが必要な施策を判断できます。
例えば、経費を削減しても利益がほとんど変わらなければ、別の部分に原因があるかもしれません。反対に、効果が確認できた取り組みは継続することが大切です。数字を確認し、改善して、また確認するというサイクルを繰り返しましょう。
STEP⑤中期的な経営計画に落とし込む
営業利益を一時的にプラスにするだけでなく、継続して利益を生み出せる会社にするには、改善策を中期的な経営計画に落とし込むことが重要です。目標とする売上や利益を決め、そこから逆算して具体的な行動を考えます。
「いつまでに営業利益をいくらにするのか」「そのために何を改善するのか」を明確にすれば、経営者だけでなく社員も目標を共有しやすくなります。目先の赤字を解消するだけでなく、将来にわたって利益を生み出す仕組みをつくることが、黒字化の重要なポイントです。
まとめ|営業利益マイナスは「やばい」が、原因を見極めれば改善できる

営業利益がマイナスでも、すぐに倒産するわけではありません。しかし、赤字が続けば資金繰りや金融機関からの評価、将来の設備・人材投資にも影響する可能性があります。
大切なのは、売上・原価・固定費・価格などを確認し、利益を圧迫している原因を見極めることです。
一時的な改善で終わらせず、将来にわたって利益を生み出す会社をつくるには、中期的な経営計画が欠かせません。
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