事業承継の年齢は何歳がベスト?後継者育成のタイミングを逃すな!

事業承継の年齢は何歳がベスト?後継者育成のタイミングを逃すな! 事業承継

事業承継の年齢は何歳がベストなのでしょうか?

中小企業の経営者の平均引退年齢は67~70歳という調査結果があり、その時期が事業承継のタイミングとみてよいでしょう。

しかし、中小企業・小規模事業者の経営者のうち、65歳以上の経営者は全体の約4割を占めており、あと3~5年で多くの中小企業が事業承継のタイミングがくると予想されます。

そのときになって、大事に育ててきた会社を後継者にいきなり「はい、どうぞ」というわけにはいきません。

本記事では、事業承継にベストな年齢や事業承継の準備をいつから始めたらいいのか?事業承継後の身の振り方についてもお伝えします。

事業承継を着実に進め、ハッピーリタイアで第2の人生を謳歌しましょう。

 

事業承継する年齢は平均67~70歳が多い?!

事業承継する年齢は平均67~70歳が多い?!

 

事業承継する年齢は何歳が多いのでしょうか?

中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル(PDF)」では、会社の規模や業種などにもよりますが、中小企業の経営者の引退年齢は平均67~70歳であると記しています。

ということは、中小企業の経営者は67~70歳くらいで事業承継または廃業するケースがあるということです。

30年前の中小企業の経営者の引退年齢は平均61~62歳でしたので、経営者の引退年齢は6歳以上も上がってしまったのですね。

引退年齢が上がるということは、事業承継の年齢も上がるということ。

どうして中小企業の経営者の引退年齢が上がってきているのでしょうか?

事業承継の年齢が上がる原因は次の2つと考えられます。

  • 事業承継の年齢が上がるのは「後継者不足」であるから
  • 事業承継の課題を先送りになるのは「後継者育成」に苦労するから

それでは詳しく見ていきましょう。

 

事業承継の年齢が上がるのは「後継者不足」であるから

事業承継の年齢が上がる理由として「後継者不足」が挙げられます。

後継者の決定状況についてのアンケートによると次のような回答が得られました。(中小企業の事業承継に関するインターネット調査(2019年)日本政策金融公庫総合研究所

  • 事業承継のための後継者が決定している企業 12.5%
  • 事業承継の意思はあるが後継者が決まっていない企業 22.0%
  • 廃業を予定している企業 52.6%
  • 自分はまだ若いので今決める必要がない 12.9%

後継者が決定している企業は12.5%である一方で、いろんな理由があるとはいえ後継者が決まっていない企業が87.5%にあるということです。

また、廃業を予定している企業の廃業する理由は「そもそも誰かに継いでもらいたいと思っていない」43.2%となっており、それ以外の理由として「子どもがいない」12.5%、「子どもに継ぐ意思がない」12.2%、「適当な後継者が見つからない」4.3%と廃業を予定している企業の3割くらいが後継者難による廃業と回答されています。

このように、事業承継の年齢が上がる理由は「後継者不足」と挙げられていますが、なぜ後継者不足になるのでしょうか?

その理由として事業承継の課題を先送りにしてしまう背景があるとみられます。

 

事業承継の課題を先送りになるのは「後継者育成」に苦労するから

株式会社帝国データバンクが調査した事業承継に関する企業の意識調査2020年(PDF)によると、事業承継で「苦労したこと」「苦労しそうなこと」ともに「後継者の育成」がトップという結果があります。

「事業承継で苦労したこと」トップ3
1位:後継者の育成  48.3%
2位:相続税・贈与税などの税金対策  31.7%
3位:自社株など資産の取扱い  30.5%
「事業承継で苦労しそうなこと」トップ3
1位:後継者の育成  55.4%
2位:後継者の決定  44.6%
3位:従業員の理解  25.5%

しかし

「後継者の育成をいつ始めたらいいのか?」
「誰に相談したらいいのか?」

正直、日々の経営に精一杯で「後継者育成」を始められない、または「後継者育成」に時間を要してしまうということから、経営者交代がなかなかできず、事業承継の年齢が高くなってしまうのではないでしょうか?

事業承継の課題を先送りにしては後々大変なことになります。

後継者育成のタイミングを逃さないよう、事前に事業承継を進めるための計画を立てておくことで、安心して事業承継の時期を迎えることが出来ます。

 

後継者育成のタイミングを逃すな!準備期間不足で存続の危険?!

後継者育成のタイミングを逃すな!準備期間不足で存続の危険?!

 

後継者育成のタイミングを逃さないために事前に事業承継を進めるための計画を立てることが大切です。

では、実際に事業承継を進めるための計画を作って実行している企業はどのくらいでしょうか?

事業承継を進めるための計画を作って実行している企業について、全体と社長の年齢別で表した調査結果ありますので、一度詳しく見てみましょう。

全体の結果!事業承継を進めるための計画がある企業は4割!

事業承継を進めるための計画の有無に関する調査(事業承継に関する企業の意識調査2020年(PDF)より)によると、企業の4割で事業承継の計画があるものの、そのうち半分がまだ進めていないという結果があります。

事業承継に関する計画の有無【全体】

 

社長の年齢別の結果!70代に向けて事業承継計画がある?!

事業承継の計画があると回答した社長の年齢別をみると次のとおりです。

事業承継に関する計画の有無【社長年齢別】

 

社長が70代になるに向けて「事業承継の計画があり、進めている」割合が多くなってきていますが、80代以上になると減少しています。

驚くことに「すでに事業承継が終えている」と回答している社長の年齢は39歳以下、40代が多いという結果もあります。

2019年、人気衣料品通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOをヤフーが買収したことはまだ記憶に新しいですね。当時、前澤社長は44歳。「ZOZOTOWN」の成長期真っ只中での事業承継に賛否両論がありましたが、同年に株式会社スタートトゥデイを設立し代表取締役社長に就任し第2の人生のスタートを切っています。

事業承継は早ければ早いほうがいいというわけではありません。

しかし、たとえ事業承継のための計画はあったとしても、計画が進まず時が過ぎていくのであれば、社長の年齢が進むにつれ、ベストな状態での事業承継はますます厳しい状況になります。

事業承継のタイミングを逃さないよう、事前に事業承継のための計画を立てるだけでなく、その計画を実行する覚悟を持ちましょう!

準備期間不足のままの事業承継では、今まで大切に育ててきた「人」「資産」「知的資産」の承継がスムーズに進まず、会社を存続の危機に陥る可能性があります。

「人」
経営権、後継者の選定・育成、後継者との対話、後継者教育
「資産」
株式、事業用資産(設備・不動産等)、資金(運転資金・借入金等)、許認可
「知的資産」
経営理念、経営者の信用、取引先との人脈、従業員の技術・ノウハウ、顧客情報

会社の状況に応じて、事業承継の時期をよく考えましょう。

 

事業承継はいつから準備したらいい?

事業承継はいつから準備したらいい?

 

中小企業の経営者の平均引退年齢は67~70歳という調査結果があり、その時期が事業承継のタイミングだとすると、いつから事業承継の準備をするとよいのでしょうか?

中小企業庁「経営者のための事業承継マニュアル(PDF)」では、事業承継には後継者の育成を含めて5~10年必要だと記しています。

ということは、遅くとも60歳くらいから事業承継の準備が必要だということです。

ここでは事業承継の準備を始めるための5つのステップと3つのメリットをご紹介いたします。

  • 事業承継の準備を始める5つのステップ
  • 事業承継前に準備する3つのメリット

 

事業承継の準備を始める5つのステップ

事業承継の準備は次の5つのステップに沿って行います。

①事業承継の方向性を明確に

5年後、10年後と続いていく会社を誰に託すのか?いつ託すのか?どんな風に託すのか?このように後継者の選定は事業承継の第一歩です。事業承継は①親族への承継②役員・従業員への承継③社外への引継ぎ(M&A)と3つのカタチがあります。

②経営の現状把握で見える化

会社の未来を考えるときには、経営の今の状況を把握することが必要になります。これからも成長し続ける会社であるために「今、利益を確保できる仕組みができているか?」「商品やサービスは他社と比べて競争力を持っているか?」という感じに、会社の強みと弱みを再認識し、事業や資産、財務の見える化をすることでこれから取り組むべき課題が見えてきます。

③経営改善で磨き上げ

先行き不安な会社を引き継ぎたいとは誰も思わないですよね。事業承継の準備をしていく中で、会社の良いところを伸ばし、改善点を「強み」にシフトできるよう経営改善で会社を磨き上げていくことも必要です。例えば、商品力を伸ばして新しい市場を開拓したり、人材育成を強化したり、経営のスリム化を図るなど経営改善に向けたアクションを後継者と会社全体で取り組むことで事業承継の土台を作っていきます。

④事業承継計画策定

経営の見えると経営改善で磨き上げができたら、事業承継計画を策定していきます。まずは5年後10年後に会社がどうなりたいかを明確にし、経営理念や方向性、目標を定め、そのためには今年はどうすればいいかといった具体的なアクションや数値などを計画書に落とし込んでいきます。事業承継計画は後継者も一緒に考えていきましょう。そうすることで経営者交代しても経営が途切れることなく一貫性のある事業展開が望めます。

⑤事業承継の実行

事業承継計画に沿って、株式、事業用資産、経営権などの承継を実行します。

 

 

事業承継前に準備する3つのメリット

事業承継に準備を早めにスタートすることのメリットは次の3つがあります。

【メリット①】事業承継をベストなタイミングでできる!

事業を承継できる体制を早い段階で整えることで、会社の業績、市場の動向を踏まえてベストのタイミングで事業承継を実行することが可能になります。

【メリット②】後継者の手腕、適性をじっくり見極めることが出来る!

例えば、息子を後継者にと思い、経営者として育てていく中で、必要な能力がなかなか兼ね備えることができない場合があります。そのときは経営者としての手腕や適性を見極めるために後継者育成の見直しなど事業承継に必要な対策を早期に実行することができます。

【メリット③】周りへの影響を最小限に抑えられる!

十分な準備がないまま経営者が変わると従業員からの反発や取引先への信頼関係など、周囲に与える影響はとても大きいものです。事業承継は身内だけの問題ではなく、会社全体の問題ととらえて十分な時間をとって計画的に進めることで、周囲の理解を得られる事業承継ができるようになります。

 

事業承継が終わった後の第2の人生をどう過ごす?

事業承継が終わった後の第2の人生をどう過ごす?

 

事業承継が終わった後の第2の人生をどう過ごすといいのでしょうか?

それは、あなたが会社に残るか残らないかで身の振り方は変わってきます。

会社に残る場合と残らない場合とでどんな人生があるか見てみましょう。

 

会社に残る場合

事業承継後、会社に残る場合は「会長職として会社経営をサポートする人生」が待っています。

後継者や従業員に権利移譲し、ご自身は会長職として会社経営をサポートします。

会社に残るという選択は、長年の経験からのアドバイスを引き継いでもらえますし、何より残された会社にとっても有益であり、会社の成長・発展に役立ちます。

 

会社に残らない場合

事業承継後、会社に残らない場合は「何でも自由にチャレンジすることが出来る人生」が待っています。

  • 新しい事業を立ち上げる
  • 新たな働き先を探す
  • 家族との時間をゆっくり過ごす
  • ボランティアや社会貢献をする

新しい人生を謳歌できるよう好きなことをしてみるのもよいことでしょう。

まとめ|事業承継する年齢は67~70歳!準備は60歳から始めよう!!

まとめ|事業承継する年齢は67~70歳!準備は60歳から始めよう!!

 

中小企業の経営者の平均引退年齢は67~70歳です。

事業承継の準備期間として後継者育成も含めると5~10年必要だと言われています。

そこを踏まえて、事業承継の準備は遅くとも60歳からはじめるといいでしょう。

事業承継の準備における事業承継計画は、後継者も一緒に考えていくことで経営者交代しても経営が途切れることなく一貫性のある事業展開が望めます。

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